2024/03/23(土)【新製品】野草の種入り張芝

240323_001.jpg


「東さん(私)、自然風な草地をつくる方法って何かないですかね?日本の在来種で。面積が広いので可能であれば非常に高くなりすぎないもの、、、」といったお問合せを近頃いただくことが増えてきました。何か良い方法はないだろうか。
240323_004.jpg
張芝(ノシバ)の中に野草が生育
そこで早速考えてみて、、、できました!「野草の種入り張芝」です。(←もっと良い製品名を募集中!)「野草の種入り張芝」は芝生をつくる場合に使用されるような張芝(ノシバ)に、あらかじめ日本国内で採取した国内産在来種の種子を配合しています。張芝(ノシバ)が基盤になっているので、現場に納品後は、一般的な張芝と同様に施工すればOKです。国内産在来種の種子の発芽時期(5月以降)になると、張芝(ノシバ)の中から少しずつ発芽して成長します。



240323_002.jpg
施工直後(冬)
240323_003.jpg
施工後(夏)


私の会社がある東京都内でも公園の再整備や建築外構における在来種緑化が増えてきました。自然風な草地の創出を検討されている方は是非、弊社までお問合せください

【東京オフィス 東建介】
【電話】03-5643-0305
【メール】k-azuma@especmic.co.jp

2024/03/20(水)林道法面におけるシカ食害対策の緑化(神奈川県内の事例その2)

240320_005.jpg

シカ(鹿)生息地における現状と課題

 シカ食害対策の緑化(神奈川県内の事例その1)でご紹介しましたように、神奈川県内のシカ(鹿)生息地では、シカの食害により植生が衰退し裸地化した状況が確認されています。林内に残っている植生としてはアセビやシダ類などが点在しているだけで、裸地化した箇所がシカに踏み荒らされて崩れたり、降雨によって土壌浸食が起こったりしています。さらに、林内は日陰条件であるため、このような場所で生育する植生はかなり限定されてきます。
240320_006.jpg
裸地化した法面が崩れた状況
240320_008.jpg
裸地した林内。日当たりは悪く日陰条件である。

シカ不嗜好性植物(国内産在来種)を用いて法面を緑化する

 このような状況にある神奈川県内の山の林道法面において、シカの好まない植物(シカ不嗜好性植物)を用いて緑化を試みています。シカ不嗜好性植物の種子から緑化を試み、用いた種子は日本国内のみで採取もしくは生産した国内産在来種種子のみとしました。また、本現場の林道法面は、日当たりが悪いことが想定されたため、日陰でも生育する植物を用いて法面緑化を試みました。

240320_009.jpg
施工前(2021年12月22日撮影)
240320_004.jpg
施工後6ヶ月(2022年6月20日撮影)


240320_007.jpg
日陰条件でも生育する(2023年5月23日撮影)
 神奈川県内でもシカ(鹿)の生息密度が非常に高い地域のため、施工後、シカ(鹿)の食害が多く確認されましたが、何とかシカ不嗜好性植物の成長を確認することができました。想定していたように日当たりが悪い現場ですが、日陰で生育する植物のおかげで少しずつですが緑化が進んでいます。今後は、多年草が株を少しずつ拡大させていくと想定されます。



在来種で緑化シート(ヤシネット)日陰配合、シカ不嗜好性植物配合

 今回の現場は、シカ食害対策の緑化(神奈川県内の事例その1)で利用した日陰条件で生育する植物でもあるシカ不嗜好性植物の種子を配合した植生シート(在来種で緑化シート)を用いて緑化を試みました。この在来種で緑化シート(ヤシネットタイプ)は、盛土法面の法面保護工として利用することができ、ロール状で納品されるため一般的な植生シートと同様に施工することができます。1梱包は20㎡(10㎡/巻×2巻)です。また、この在来種で緑化シートは生分解性の資材で製造しており、基盤は少しずつ自然にかえるため、山の中での利用にも適しています。
240320_002.jpg
在来種で緑化シート(日陰配合、シカ不嗜好性植物配合)→ 国内産在来種種子のみを使用しています。
240320_003.jpg
1梱包は20㎡(10㎡/巻×2巻)
240320_001.jpg
施工は容易で景観に馴染む


日陰条件で生育するシカ不嗜好性植物(国内産在来種種子)を用いた施工実績も増えてきていますので、シカ(鹿)の食害でお困りの方、日陰の緑化を実施したい方は是非、弊社までお問合せください

【東京オフィス 東建介】
【電話】03-5643-0305
【メール】k-azuma@especmic.co.jp

2023/11/23(木)林道法面におけるシカ食害対策の緑化(神奈川県内の事例その1)

231123_006.jpg

シカ(鹿)生息地における現状と課題

 神奈川県内のシカ(鹿)生息地では、シカの食害により植生が衰退し裸地化した状況が確認されています。裸地化した箇所がシカに踏み荒らされて崩れたり、さらに降雨によって土壌浸食が起こったりしており、林道に土壌が流出した箇所も見受けられます。実際に土砂崩れの被害を受けた民家の裏山を観察させて頂くと、シカの食害により下層の植生無くなってしまい、土壌浸食が至る所で起こっている状況でした。土砂崩れ等の大規模な災害を事前に防ぐためにも、まずは法面等を早期に緑化し、土壌浸食を防止させる必要があります。
231123_008.jpg
シカ食害により衰退しつつある植生
231123_009.jpg
土砂崩れの被害を受けた民家の裏山の状況

シカ不嗜好性植物(国内産在来種)を利用した法面緑化

 このような状況にある神奈川県内の山の林道法面において、シカの好まない植物(シカ不嗜好性植物)を用いて緑化を試みました。日陰条件でも生育するシカ不嗜好性植物の種子から緑化を試み、用いた種子は日本国内のみで採取もしくは生産した国内産在来種種子のみとしました。
231123_003.jpg
施工前(2022年11月4日撮影)
231123_005.jpg
施工後9ヶ月(2023年9月19日撮影)


231123_007.jpg
シカ不嗜好性植物の生育状況
 施工後、1年目である今年はシカ(鹿)の食害が若干あるものの、一年草のシカ不嗜好性植物が優占しており、その中には所々に多年草が良好に生育していることも確認できました。今後は、多年草が株を少しずつ拡大させていくと想定され、2年目以降の継続した緑化が期待されます。





231123_004.jpg
国内産在来種種子は5月から発芽する
 使用したシカ不嗜好性植物の種子は、全て国内産在来種種子のため、冬場は種子が発芽しませんが、翌春の5月頃から少しずつ発芽し、夏頃にかけて大きく成長していきます。シカの生息密度や環境条件(日当たりや水分条件等)によって結果は変わってきますが、シカ生息地においても本施工地のような条件であれば、シカ不嗜好性植物を用いることで早期に法面を緑化することができ、土壌浸食も抑制できることが分かってきました。

施工直後の景観にも配慮した植生シート

 今回の現場は、山の中の林道法面であったため、施工直後の景観にも配慮して、シカ不嗜好性植物の種子を配合した植生シート(在来種で緑化シート)を用いて緑化を試みています。この在来種で緑化シート(ヤシネット)は、林道工事等における法面保護工に利用することができ、ロール状で納品されるため一般的な植生シートと同様で容易に施工することができます。また、この在来種で緑化シートは生分解性の資材で製造しており、基盤は少しずつ自然にかえるため、山の中での利用にも適していると言えるでしょう。
231123_001.jpg
シカ不嗜好性植物の種子を配合した在来種で緑化シート
231123_002.jpg
施工は容易で景観にも馴染む


少しずつではありますが、シカ不嗜好性植物(国内産在来種種子)を用いた施工実績も増えてきています。神奈川県内では、本現場の他にもう1箇所の林道法面でも緑化を試みています。シカ(鹿)の食害でお困りの方、日陰条件での緑化にお困りの方は是非、弊社までお問合せください

【東京オフィス 東建介】