2018/07/27(金)ニホンジカ生息地における「チカラシバ苗」植栽試験報告 ~チカラシバはシカに食べられるか~

平成29年より西日本のニホンジカ生息地において、チカラシバの植栽試験を行いましたので、
ご報告致します。

<目的>
①ニホンジカ生息地において、チカラシバ(苗)は定着し、生育できるか。
②チカラシバが緑化植物として検討できるか。
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植栽試験に用いたチカラシバ苗は種子から発芽させた「萱株苗(雑草苗)」です。
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【植栽3ヶ月後】
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チカラシバ苗の導入当初は、シカによる引き抜き防止対策として
囲いをしていましたが、苗の定着後は取り外し、経過観察を行いました。
全体的に出穂し、70cm程度まで生育しているのが分かります。

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一方、株元をよく見ると、葉の先端に食害痕がみられます。
チカラシバの場合、葉の一部はたべられるようですが、
穂は食べられないことが観察されました。

【植栽10ヶ月後】
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冬越後の状況です。新芽の展開が確認できました。
株も大きく成長し、緑量が増えていることがわかります。
今回の試験植栽において「チカラシバ苗」がニホンジカ生息地において
定着し生育できることが確認できました。
また緑化植物として利用・期待できることも推察されます。

引き続き、今後の生育状況を報告していきます。


【山口・三島・緋田】