2003/03/01(土)岐阜県 清水川 ~都市河川の自然再生~

181214_034.jpg
自然再生工事後の清水川.片岸のみ施工が完了した状態.2003年5月


近年,様々な河川で自然再生事業 が行われるようになってきました.従来行われてきた,多自然型川づくりと何が異なるでしょうか?国土交通省河川局河川環境課発行のパンフレットによれば, 『自然再生事業は河川環境の保全を目的とし,流域の視点から「川のシステム」を再自然化する河川事業です.』とあります.具体的には,堰の運用改善による 水位変動の回復やダムの土砂バイパスにより河床を再生させるなどの取り組みがなされています.すなわち,河川のダイナミクスを修復することが自然再生事業 において重要な位置を占めていると言うことなのでしょう.今思えば,従来の多自然型川づくりでは,”河川”という”動的”な環境に対し,比較的”静的”な 取り組みを行っていたように感じます.

続きを読む

2000/12/01(金)愛知県 大口西小学校ビオトープ ~地域とつくる学校ビオトープ~

181221_016.jpg
全国学校ビオトープコンクールにて優秀賞を受賞


愛知県丹羽郡大口町にはエスペックミック株式会社の本社があります.地元の大口西小学校の敷地730㎡の敷地において,上・中・下流の演出を施した水辺が創出された.

続きを読む

2000/06/05(月)三重県 船倉幹線排水路 ~水生植物による水質浄化の試み~

181213_014.jpg


三重県伊勢市を流れる船倉幹線排水路では水質の汚濁がすすみ,エアレーションなどの浄化対策が行われていました.古い護岸の改修にあたり,水際に水生植物を生育させ,水質浄化を行う試みが行われました.
ヨシやマコモなどの水生植物(抽水植物)は,水中から栄養塩を吸収するなどの直接的な水質浄化を期待することも出来ますが,水中から伸長した茎に微生物が 付着して,有機物を無機物に分解したり,流速を弱めて浮遊懸濁物質を沈降させるなどの効果も期待することができます.また,そこに小魚やカニなどの生物が 定着するなど,多様な生物の生息を可能にするなどの効果があります.

続きを読む

1999/07/01(木)千葉県 松戸市根木内中学校ビオトープ ~ワークショップを通して学ぶ~

181120_083.jpg


 根木内中学校ビオトープは学校付近に残された自然を重視した上で,子供達が自然の大切さを体感するための環境教育の場として,既存グランドの一部(約450㎡)において計画及び実施されました.生徒達が「ものづくり」の楽しさやビオトープへの愛着心を感じ,高めてもらう意味でワークショップ方式でビオトープをづくりが進められました。池の形状から植栽する植物種に至るまで,生徒らのアイディアや希望を基本に進められました。生徒達はワークショップを通して,自然界における植物の重要性について理解を深めたようでした。本ビオトープは水辺づくりにとどまらず,周囲には幼苗植栽を施して「森と水辺の創出」を試みました.生徒達が教科書には無い実際の「自然」に触れることで環境意識を高めていく事が期待されます.

続きを読む

1998/03/11(水)岐阜県 勝賀大池 ~ため池における植生護岸の活用~

181219_008.jpg
設置後1.5年の状況.水際に水生植物群落が形成された.
181219_009.jpg
水際にベストマンロール(植生ロール),
その背後にベストマンパレット
(植物種:ヨシ,マコモ,フトイ)を設置.
1998年3月11日.






ため池の護岸には様々な方法が考えられます.植生護岸は単なる修景緑化ではなく,水生植物を繁茂させることにより,波浪による湖岸の浸食を防止します.植生護岸の良い点は,波浪を反射させず,吸収させることです.そのため反射波による対岸の浸食を防止します.また,写真からも明らかなように,植生護岸を形成すれば,多くの生物の生息環境として機能します.さらに,ある程度は水質の浄化も期待できるでしょう.

続きを読む