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長野県 天竜川 〜堤防法面浸食を食い止める〜
 
一級河川天竜川および三峰川の一部の堤防では,キク科の多年草であるオオキンケイギクが優占した植生が形成されています。一般に堤防法面には築堤時に張芝による施工が行われますが,オオキンケイギクが侵入しロゼット状の葉を展開すると,その下になった芝は枯死してしまいます。さらに,除草管理による刈り取りが行われると,株状になって生えていたオオキンケイギクの葉の下には多数の裸地が生じてしまいます。

天竜川水系ではこれらの裸地に起因した堤防法面の浸食が問題となっています。一方で,一部の堤防法面ではイネ科の多年生草本であるチガヤの優占する植生が認められており,こうした植生にはオオキンケイギクはほとんど生育していないことが観察されました。そこで私たちは浸食の発生しない安定した植生を形成することを目的に,張芝に替わる植物としてチガヤを導入しました。

堤防法面のオオキンケイギク

チガヤマット設置前の堤防法面の様子

 
【チガヤ種子の採取状況とチガヤマット施工時の状況】


天竜川より種子を採取し,天竜川産チガヤマットを生産しました。盛土,衣土を施工した上にチガヤマットを張り付ける仕様です。
チガヤマットは1枚あたり2.2uある大型のマットですが,ヤシの繊維が基盤となっており,軽く施工性に優れています。
芝同様,竹目串で固定します。
 
【施工後の状況】

チガヤが優占した植生(2010年7月) 刈り取り後の状況(2010年9月)

2010年の春に施工は完了しました。
7月の堤防には,チガヤが優占した植生となっていました。エノコログサやメヒシバなどの一年草もみられました。
一部イタドリなども土中に残った地下茎から隆起して生長していました。これは要注意です。
9月には刈り取りが行われ草丈は短く裸地が見えますが,堤防の機能を損なう重大な侵食はありません。
この時期からもう一押し地下茎が延びていくと予想されます。

天竜川堤防にチガヤを導入したことで,オオキンケイギクの侵入が抑制され,安定的な法面を形成したということが一年目のモニタリングでわかりました。今年はまだ新芽が出始めですが,さらにチガヤが優占することが期待されます。

 【使用製品名】
 チガヤマット(ICM) 
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