長野県 株式会社ティアンドデイ 新社屋緑化プロジェクト
2009年の春、お取引先であるT&D様(株式会社ティアンドデイ:長野県松本市)の社屋が新しくなることに伴い、そのお庭の工事を私たちがお手伝いさせて頂きました。
建築の工事が始まった頃、T&Dの社長より中庭にせせらぎをつくる案を頂きました。松本市の立地は地下水が比較的高く、水質検査の結果、中庭に流れてくる水は非常にきれいな飲めるほどの水質であることがわかりました。「この水を生かさない手はない!」 渓流釣りを好まれる社長や社員のみなさまに、お仕事のかたわら憩いの場所として利用してもらえる『イワナが棲むせせらぎ』を創出することとなりました。
デザインを任された私は先ず近隣の渓流に行きました。イワナやアマゴが居る場所はどんな流れで、どんな岩があって、どんな音がするものかと、岩を上り渓 流の中を歩いて経験しました。イメージは上高地です。行ったことのない私は上高地へも連れていってもらい、そのイメージを共有させて頂きました。これまで の経験と渓流のイメージをふくらませ、社長と何度も打ち合わせを重ねて計画を練り上げて工事がスタートしました。
更地にせせらぎの形を造成し、セグメントに分けて細かくレイアウトしていきます。施工図面はつくったものの、現場合わせの変更も多数ありました。上流に は巨石をおき、落差を作って水の音を演出したり、下流には溜りを作って自然に浸透させるように工夫しました。せせらぎができあがってからもワサビを植えた り、イワナを放流したり、シジミやカワニナを投入し、なるべく自然の形に近づける手直しが何度か行われました。