2008/03/01(土)愛知県 岩ヶ池

岩ヶ池は『刈谷ハイウェイオアシス』に隣接する農業用のため池です。このため池は造成後裸地の状態が続いたため、写真のように雨水の表面流去と波浪による法面侵食がおこりました。ここでは植生工により法面侵食を抑え、緑化を図る事が提案されました。しかし現地の明らかに波浪のものと思われる侵食が強く、オーバーハングしている箇所も見られました。ここに単純に植物を植えただけでは、波の物理的影響で苗が衰退し活着しません。


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そこで我々は浸食部の前面に消波としてロックロール(ネットジャカゴ)、その背後に植栽済みベストマンロールを置くことを提案しました。現地を踏査したところ、ヨシ、カヤツリグサ、ヌマトラノオ、スゲ類などが一部の湿地で見られたので、植物種はヨシおよびカサスゲを選定しています。オーバーハングしている箇所にはプラントリベットメント(植物付ネットフトンカゴ)を配置しました。


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2008年3月に竣工し翌月4月に確認したところ、波風が強く、ロックロール(ネットジャカゴ)にダイレクトに波があたっています。これが植栽済みベストマンロールに直撃していては、基盤が吸い出され良好な生育が見込めません。ロックロール(ネットジャカゴ)は有効に機能していることがわかります。


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農繁期で水を使用するために8月にはかなり水が落ちてしまいました。雨も少ないことも手伝って、ヨシ水分不足に悲鳴を上げています。プラントリベットメント(植物付ネットフトンカゴ)は波が常にくるような先端ではヨシが生育していませんが、概ね良好に育っています。この夏を越せば根が地面に入りこみ、さらに強固な植生護岸になると予想されます。カサスゲは活着したようです。純群落をつくり生育は旺盛です。今後のヨシの動向に注目です。


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[2008年3月1日]