2019/02/27(水)東京都 隅田川テラス

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千住大橋近くの隅田川テラスに設置された湿地帯です。一般にビオトープなどの水際の土留めにはベストマンロール植栽済みベストマンロールが用いられますが,水位変動などにより乾燥と湿潤を繰り返す環境では,ロールのヤシ繊維が比較的早く分解されてしまいます。そのため,今回は繊維系ネット蛇篭であるベステック・ロックロールを土留めとして用いました。
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ロックロールによる土留め

ベステック・ロックロールは耐候性が高く柔軟なマルチフィラメントポリプロピレン無結節ネットに割栗石(50-150)があらかじめ充填された蛇篭で,柔軟性が高く,河川やビオトープなど曲線を描く護岸に適用することで,護岸として機能させつつ,より自然な景観を形成することができる製品です。また,使用されているネットは強度が高くフックを3ヶ所以上欠けて吊り上げることができるため,従来の鉄線蛇篭と比較すると施工性に優れます。
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ロックロールの設置状況

この付近は潮汐の影響があり一日のうちに水位が大きく変動します。こうした環境に植物を導入するのはなかかな難しいものですが,適した植物のを導入することが大切です。
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水位変動がある環境の植生

今回,植物の導入にはポット苗とともに,原っぱユニット(28cm×58cm)という張り芝状のマット苗が使用されました。ポット苗は穴を掘って苗を植えますが,原っぱユニットは張り芝と同様に設置して竹串で固定し,目土がけを行います。ポット苗の植栽と比べてとても早く施工できます。また既に植物が面的に生育しているため,植栽直後から植物群落を創出することができます。土壌をマット状の苗で押さえるため,外来雑草などの発生を抑える効果もあります。カサスゲ,アゼスゲ,ミソハギ,ハンゲショウ,イセウキヤガラなどの植物を原っぱユニットで植栽しました。今回は関東地方産の植物を用いました。

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原っぱユニット