2007/03/10(土)奈良県 馬見丘陵公園内チガヤ草原整備事業 ~古墳・遺跡公園内における在来種緑化~

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馬見丘陵公園(うまみきゅうりょうこうえん)は、奈良県北葛城郡広陵町から北葛城郡河合町にまたがる、馬見丘陵古墳群(4-5世紀築造)と良好な自然環境を活か した広大な都市公園です。奈良県と言えば古墳・遺跡の数、そしてその規模の大きさで全国的に有名な地域で、同県内には国営飛鳥歴史公園(奈良県明日香村)を始め、数々の古墳公園が点在しています。
この馬見丘陵公園において今から遡る事4年前の2007年3月に、約1,000㎡の範囲にチガヤ草地創出を目指して、24,000株のルートボールミニの植栽が実施されました。
植栽地のすぐ脇には施工当時も今も変わらず大規模なセイタカアワダチソウ群落が拡がっていますが、計画的な刈取管理の下、セイタカアワダチソウに被圧されることなくチガヤを優占種とした美しい低層草原がしっかりと成立・維持されています。


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チガヤ植栽工状況.
平成19年3月10日撮影
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チガヤ植栽工完了状況.
平成19年3月10日撮影
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チガヤ植栽地全景.
平成19年3月10日撮影
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施工後4年経過時の状況.
平成23年7月22日撮影
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施工後4年経過時の状況.
平成23年7月22日撮影
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施工後4年経過時の状況.
平成23年7月22日撮影


古墳の保全や利活用を前提にした公園整備や緑化事業において、在来種であるチガヤは有効な植物材料として捉える事ができると考えます。史跡としての価値 を引き上げ、古代の歴史や文化に触れる場として古墳公園を捉えた場合、園内の緑もやはり古代の風景を思い起こさせてくれるような植物達で構成されている事が望ましいと思います。チガヤは長い営農の歴史の中で人間生活と常に密着しながら生きてきた代表的な植物で、また適度に維持管理(刈取管理)の施されたチガヤ群落内には万葉集に詠われるような植物種を始め、多様な野草が混生している事が珍しくありません。そこで弊社ではあらかじめそういった野草を混植養生 させた野草混生マットの生産も行っています。
私達人間の生活のすぐ傍にかつては当たり前にあった風に揺れる風景、「草原」の創出にエスペックミックは取り組んでいます。


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チガヤ群落内に混生するカワラナデシコ.
※参考
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チガヤ群落内に混生するノカンゾウ.
※参考
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チガヤ群落内に混生するノアザミ.
※参考


[2007年3月10日]