2019/07/08(月)東京都 平井川

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 平井川にはカヤネズミが生息しており,河川整備工事にあたっては工事工程を含めカヤネズミの保全のために様々な工夫が行われました。堤防法面には一般的にノシバによる張芝が行われますが,平井川では張芝の代わりにチガヤマットが採用されました。

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 また,生物多様性の保全を行うため,チガヤは平井川に生育するチガヤから種子を採集し,その種子を用いてチガヤマットを生産することとしました。チガヤの種子は5~6月に採集することができますが,チガヤマットは最短で,その年の11月には出荷することができます。そのため,種子を確保することが出来れば,比較的短期間に地域の植物を用いて緑化を行うことが出来ます。

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チガヤマット(2年育成品)
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チガヤマット設置状況
 

 チガヤマットのサイズは幅1.15m×長2.0mですので,張芝と比較して施工性に優れ,短時間で設置することが可能です。固定は張芝の場合と同様に目串で行います。今回はカヤネズミの生息場所の確保を目的に堤防法面の植生にチガヤが使用されましたが,チガヤはノシバと同様に根や地下茎で土壌を緊縛するので,堤防法面の植生としては適した植物の一つと言えます。
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設置1ヶ月後の状況(2017年7月)
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設置1年後の状況(2018年5月)