2010/07/08(木)神奈川県 引地川 ~チガヤマットとグリットシーバーV3~

 引地川は大和市が管理する準用河川です。
この引地川は都市の中を流れる河川で、人々に親しまれる川づくり、親水構造を検討しつつ整備がすすめられてきました。

平成22年度には親水護岸への緑化として、チガヤ法面が施工されました。弊社としては、神奈川県でのチガヤマットは初めての試みです。しかし、チガヤマットを水際に張り付ける工事では、河川の増水時に法面の土が吸出されて植生ごと流亡する危険性があります。そこで私たちは、グリットシーバーV3を併用することを提案しました。グリットシーバーV3はジオテキスタイルと吸出抑制材の不織布が一体となった構造で、護岸を形成しつつ浸食を防止することができます。

引地川の法面施工に関しては、このグリットシーバーV3を敷設後、その上にチガヤマットを張り付けました。この方法により、法面が吸い出されることなく緑 化され、かつ流速3m/sの流れに対応できると期待しています。施工が夏にさしかかっていたので、出荷や施工中の傷みや蒸れが心配でしたが、施工業者の 方々にうまく管理して頂いたおかげでチガヤも枯れることなく活着しました。


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施工状況.
平成22年7月8日撮影
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施工状況.
平成22年7月8日撮影
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生育状況(施工後4ヶ月).
平成22年11月18日撮影


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生育状況(施工後4ヶ月)
平成22年11月18日撮影


 引地川の結果によりグリットシーバーV3とチガヤマットを組み合わせることで、出水時の流れがある所でもチガヤによる緑化が可能であることが証明されました。

[2010年7月8日]

2010/07/01(木)長野県 天竜川 ~堤防法面浸食を食い止める~

一 級河川天竜川および三峰川の一部の堤防では,キク科の多年草であるオオキンケイギクが優占した植生が形成されています。一般に堤防法面には築堤時に張芝に よる施工が行われますが,オオキンケイギクが侵入しロゼット状の葉を展開すると,その下になった芝は枯死してしまいます。さらに,除草管理による刈り取り が行われると,株状になって生えていたオオキンケイギクの葉の下には多数の裸地が生じてしまいます。

天竜川水系ではこれらの裸地に起因した堤防法面の浸食が問題となっています。一方で,一部の堤防法面ではイネ科の多年生草本であるチガヤの優占する植生が 認められており,こうした植生にはオオキンケイギクはほとんど生育していないことが観察されました。そこで私たちは浸食の発生しない安定した植生を形成す ることを目的に,張芝に替わる植物としてチガヤを導入しました。


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堤防法面のオオキンケイギク
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チガヤマット設置前の堤防法面の様子.

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2010/06/01(火)長野県 天竜川 ~チガヤマット設置によるオオキンケイギクの防除の試み~

[2011/5/21]
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施工後1年が経過したチガヤ群落の様子.
 
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施工後2年が経過したチガヤ群落の様子.
穂が風になびいている.
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法肩の歩道との境目に生育する
オオキンケイギク.
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侵入雑草のナヨクサフジ.
 
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昨年に比べて生育範囲を広げているように
見えるイタドリ.


天竜川にチガヤマットを施工してはや一年。その後の状況を観察しました。かつてはこの時期オオキンケイギクだらけ堤防であったこの場所も、すっかりチガヤ群落になっています。一年早く施工した場所は出穂しており、穂が風になびく姿がきれいです。

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2009/04/17(金)岐阜県 木曽三川公園長良川高水敷河岸整備工事 ~グリットシーバー~

グリットシーバーは ジオテキスタイルに野芝の根が絡んだ植生護岸材です。一般に、洪水時に水が堤防へ上がってくる場合、通常の張り芝工では出水時に流水の力によりめくれてし まいます。治水を考慮したジオテキスタイル工やブロックマット工は、流速に耐えられても、植生が回復するまで時間がかかります。しかし芝と一体化したグ リットシーバーは、流速4m/sまで対応することが可能なので、緑化をしながらブロックマットと同様に流速の出る川表側の堤防にも使用することができます。裏面に不織布がついているため、堤防土壌の吸い出しも抑制されます。


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グリットシーバー
平成21年5月23日撮影.
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施工前の状況
平成21年4月17日撮影.
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設置直後の状況
平成21年5月28日撮影.


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生育状況(施工後3ヶ月)
平成21年9月2日撮影.
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生育状況(施工後8ヶ月)
平成22年1月16日撮影.


木曽三川公園長良川高水敷河岸整備工事ではグリットシーバーを採用して頂きました。一見張り芝工に見えますが、芝がまだ根付いていない施工直後でも護岸として成立しています。現在でも良好に芝が生育しています。


[2009年4月17日]

2008/03/25(火)三重県 木曽岬町 グリーンフェンダー

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海抜0m地帯の河川や水路では鋼矢板護岸が多用されきましたが,自然環境の整備を行う上で困難な場所の一つです.このような場所では,植栽済みベストマンロール(植栽済み植生ロール)をつり下げる”グリーンフェンダー”が効果的に機能します.












グリーンフェンダーには植栽済みベストマンロールを使用しますが,設置直後から目的とする植物群落が形成され,極短期間で良好な景観を形成することができま す.また,水域と陸域とを連続させることができますので,カエルや水生昆虫などの水域と陸域とを行き来する生物の保全にも大きな効果が期待できます.

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