2000/06/05(月)三重県 船倉幹線排水路 ~水生植物による水質浄化の試み~

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三重県伊勢市を流れる船倉幹線排水路では水質の汚濁がすすみ,エアレーションなどの浄化対策が行われていました.古い護岸の改修にあたり,水際に水生植物を生育させ,水質浄化を行う試みが行われました.
ヨシやマコモなどの水生植物(抽水植物)は,水中から栄養塩を吸収するなどの直接的な水質浄化を期待することも出来ますが,水中から伸長した茎に微生物が 付着して,有機物を無機物に分解したり,流速を弱めて浮遊懸濁物質を沈降させるなどの効果も期待することができます.また,そこに小魚やカニなどの生物が 定着するなど,多様な生物の生息を可能にするなどの効果があります.

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1999/10/08(金)三重県 東員町自然生態ゾーン ~地域種を用いた水辺づくり~

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三重県東員町の自然生態ゾーン整備事業にでは公園内に造園的な水路を創出させるのではなく,あくまでも水辺における多様な自然生態系の創出を目指した川づくりが行われました.


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護岸方法はコンクリートに頼らず石積と植生によるものとし,植物についてもヨシを始め,隣接する戸上川でごく普通に見られるマコモ,ヒメガマ,サンカクイなどの種類が導入されました.左の写真は造成状況(2002年1月9日).

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1997/03/01(土)愛知県 戸田川 ~カゴマット上のヨシ群落の創出~

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製品設置後6ヶ月経過(1997年10月).


水際の植生は本来長い年月をかけて形成されていくものです。よって河川改修等により失われた植生は基盤の整備だけでは簡単には取り戻すことは出来ません。 ベストマンシステムは様々な諸言(水位・流速・水質・河床材料等)から、より確実にそしてより早く、植物群落を形成させる方法を提案します。

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1996/02/29(木)岐阜県 大安寺川 ~子供たちのあそび場として小川の再生~

大安寺川(daianjigawa)は各務原市鵜沼町に端を発し、木曽川合流点に至る延長2.3Kmの一級河川である。大安寺川では当初、低々水路の護岸として詰杭工が行われてきたが、水域と陸域の連続性が失われてしまう傾向にあったことや、水量に対する低々水路幅が広かったため水深が浅くなってしまったことなど、生態的な問題が生じてしまった。さらに、春から夏にかけて農業用水の取水を行うため、この時期には一時的に水無し川となってしまうこともあった。そこで、多自然型川づくりを行うにあたっては、次のことを中心に製品の種類とその組み合わせ、設置方法、導入植物種等の検討を行った。


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製品設置前の大安寺川の状況(1996年2月29日)
河川の延長も短く流域面積も小さいため、常時流量は少ない。しかし上流域で宅地開発が進み一時的な流出量は増大し、都市型の河川になりつつある。


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ベストマンシステム設置直後の状況(1996年9月24日)
詰杭の天端高が高く水域と陸域とを分断していたため、杭頭を切断して連続性を確保した。
また、春から夏にかけて生物が生息できるだけの水深を確保するためにベストマンロール(植生ロール)を設置することにより低々水路の幅を狭くした。ベストマンロールにはツルヨシ、ヤマアゼスゲ等を植裁した。

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1993/03/01(月)神奈川県 いたち川 ~あの施工事例は今・・・~

神奈川県いたち川は,日本ではじめてベストマンシステムを設置した河川です.その当時,植生護岸に関する知識も少なく,手探り状態で製品を設置しました.1993年の設置から6年後の状態について確認し,そこに生じた問題点や改善点についてレポートしました.

神 奈川県横浜市を流れるいたち川は,都市河川の川づくりにおいて先進的な取り組みがなされている河川である.多自然型川づくりに思いを巡らせたとき真っ先に 名前のうかぶ河川の一つであり,1993年3月ベストマンシステムが日本で初めて採用された河川でもある.本レポートは設置当時から今日に至るまでに生じ たベストマンシステムに係わる問題点と,再整備後の現在の状況について記したものである.


ベストマンロール設置からの経過

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1993年3月.ロール設置直後の状況.

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