2008/03/11(火)大阪府 羽鷹池公園整備事業 ~クズ・セイタカアワダチソウ群落からチガヤ群落に~

[2009/05/25]
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さて出穂の時期です。現場に足を運んでみると・・・・写真の通りの風景が目に飛び込んできました。ばらつきはありますが、チガヤは元気いっぱいです。かわいい白い穂をふわっと風になびかせ、私を迎えてくれました。もちろん去年せっせと除草にいそしんだセイタカアワダチソウやコセンダングサ、ネズミムギ等もまだまだ見られます。ただここまでの状況にもってくる事が出来れば、今後は適期の刈取管理作業のみでチガヤ群落の維持は可能です。まばらに植えたカワラナデシコも可憐で控えめな花を咲かせていました。羽鷹池の護岸にどこか懐かしい風景が戻ってきたような気がします。

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2007/07/18(水)兵庫県 エスペックビオトープ バンビの里 ~自然が私達に与えてくれるもの~

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近年日本でも定着してきた言語「ビオトープ BIOTOPE」。生態学的には「生物の生息空間」を意味しますが、ここに私達人間はいかに関わっていくのかは今後の自然再生事業の上で重要なテーマの一つではないでしょうか。子供の頃に水辺で見つけた小さな命、森の中で感じた神秘的な静けさ、自然という存在が私達人間に与えてくれるものとは・・・そんな思いから「バンビの里」の計画は生まれました。

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2004/05/25(火)愛知県 青木川 ネズミムギ群落から在来種群落への置き換え試験

2004年 施工初年度
[2004/05/25] 施工前
[2004/10/08] 外来種置き換え試験
[2004/10/18] 外来種置き換え試験(植栽会)

2005年 施工1年目
[2005/05/10] 現況確認
[2005/09/13] 現況確認
[2005/11/18] 外来種について勉強会


2006年 施工2年目
[2006/02/22] 現況確認
[2006/02/24] 外来種置き換え試験(第2回植栽会)
[2006/03/07] 堆積土撒き出し試験
[2006/04/26] 現況確認
[2006/06/04] 現況確認
[2006/10/28] 現況確認

2007年 施工3年目
[2007/01/14] 現況確認
[2007/04/09] 現況確認
[2007/05/23] 現況確認
[2007/08/20] 現況確認
[2007/10/13] 現況確認
[2007/12/09] 現況確認


[2007/12/09] 現況確認
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右岸にはヨシ群落が維持されており,
左岸側もオギ群落となっている.ネズミ
ムギの抑制された状況が維持されている
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上流側は鮮やかな緑色が
ネズミムギ群落となっている
 


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9月に刈り込まれたヨシ群落は
1m程度の草丈となっている
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ネズミムギ群落.カサスゲやヨシも混生
するが,ネズミムギに圧倒されている


 ネズミムギは越年草であるため,冬枯れの季節でも青々とした葉を茂らせています.施工前は,ネズミムギが茂っていた高水敷は,ヨシ群落,オギ群落に置き換えられ,継続的に維持されています.この創出されたヨシ,オギ群落の上流は一面ネズミムギ群落となっていることから,植生の置き換えを行わなかった場合にはネズミムギ群落が維持される環境であったといえます.
青木川のように川幅が狭い河川では,草丈が2mを超えるようなヨシ群落では川面が見えづらく,鬱蒼とした感じを受けるため,夏から秋にかけて刈払い作業が行われています.たかが刈払い作業ですが,ネズミムギの種子が漂着しやすい環境であるため,作業時期を間違えるとネズミムギに被圧される可能性があります.今回,ヨシ群落は8月から9月に刈り払われており,その後,高さ1m程度の群落に回復したことから,ネズミムギの成長を抑制することができました.ヨシ群落への置き換え作業を行った場所は,適切な時期に維持管理が行われることによって,ネズミムギを抑制するとともに,川の流れが十分確認できる明るい水際となっており,河川植生として望ましい状態に維持されているといえます.

[吉野知明]

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2003/03/01(土)岐阜県 清水川 ~都市河川の自然再生~

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自然再生工事後の清水川.片岸のみ施工が完了した状態.2003年5月


近年,様々な河川で自然再生事業 が行われるようになってきました.従来行われてきた,多自然型川づくりと何が異なるでしょうか?国土交通省河川局河川環境課発行のパンフレットによれば, 『自然再生事業は河川環境の保全を目的とし,流域の視点から「川のシステム」を再自然化する河川事業です.』とあります.具体的には,堰の運用改善による 水位変動の回復やダムの土砂バイパスにより河床を再生させるなどの取り組みがなされています.すなわち,河川のダイナミクスを修復することが自然再生事業 において重要な位置を占めていると言うことなのでしょう.今思えば,従来の多自然型川づくりでは,”河川”という”動的”な環境に対し,比較的”静的”な 取り組みを行っていたように感じます.

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