[2011/06/12]
工事期間中、ぽろりと涙をこぼしてみたり、大泣きしてみたり、大爆笑のような晴天を振りまいたりした、
気分屋の梅雨空は最後のさいご、わたしたちの希望をかなえてくれました。
灼熱の太陽は薄曇りに遮られ、心地よい涼しい風が優しく頬をなでる、植樹祭には最高の天気になりました。
日本財団による助成金で実施された「多摩工森づくり100」と銘打たれた今回の植樹祭は
東京都立多摩工業高校、全校生徒と来賓、関係者を合わせ500人を越える人々によって、1,940本の苗木が植栽されました。
フェンスのすぐ向こうは「東京環状」と呼ばれる国道16号線です。文字通り東京を環状に囲う、首都圏の大動脈です。
校舎の建物との隔離は15m足らずです。その間に植樹されたこの森は毎年1mずつ伸びてゆき、
いずれは幹線道路からの緩衝帯として、校内環境を優しく守ってくれることでしょう。
また、非常の際には近隣住民の広域避難場所として、地震、大火から人々のいのちを守る防災林の役割を果たします。
今日はその誕生日です。
この日を迎えるにあたり、これまで支え、応援してくださった多くの方々に御礼を申し上げます。
[高野]
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[2011/06/11]
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苗木を植栽地へ運搬.
準備完了!明日はいよいよ植樹祭 |
稲ワラも搬入です. |
大勢のボランティアスタッフの協力.
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いよいよ植樹祭本番を明日に控え、準備作業は最後の大詰めです。
一昨日、生徒の皆さんに仕分けしてもらった苗木を植栽地へ運搬、配置しました。
森における落ち葉の役割を果たす、大切な稲ワラも搬入されました。
植栽地にブロック別に下ろしました。
ワラ縄も配置して、準備万端整いました。
あとは明日の好天を祈るばかりです。
主役である生徒達の裏方に、大勢のボランティアスタッフの協力があります。
学校の森づくりをバックアップしてくれているNPO法人「国際ふるさとの森づくり協会」、そして苗木の一部を提供してくれた
NPO法人「響」さまから本日の準備作業にサポート役としてお手伝いをいただきました。
さまざまな方々の支援をいただいて植樹祭は実施されます。
[高野]
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[2011/06/10]
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稲ワラは落ち葉の代わり |
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森における落ち葉の役割をはたしてくれる稲ワラ。
この稲ワラが風で飛散したり、雨でずれてしまったりすることを防ぐためにワラ縄で抑えます。
本日もブロックリーダーとなる生徒の代表たちにお手伝いいただき、ワラ縄の切断、加工作業を行いました。
若い彼らは飲み込みが早いです。
たちまち手順を覚えて、目を見張るようなスピードで作業が進みました。
[高野]
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[2011/06/09]
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生徒さんと苗木の仕分け作業 |
植樹祭の準備も順調です. |
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沖縄からは例年より半月も早い梅雨明けの便りが届きました。
多摩工業高校にも夏のような暑さが来ています。
この暑さの中で、生徒の代表である各植樹ブロックのリーダー達に準備作業を手伝ってもらいました。
本日は苗木の仕分け作業です。
授業が終わったあとのささやかな時間でしたが、若さ溢れる動きでみるみる作業がはかどりました。
植樹祭の準備の方も順調に進んでいるようです。
[高野]
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[2011/06/08]
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どんぐりの苗をいただきました |
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明治神宮を根幹に活動をしていらっしゃる「響」というNPO法人があります。
多様な活動をしていらっしゃいますが、その一部として、森づくりのためにどんぐりの苗を育てています。
それも明治神宮で拾ったドングリです。
東京のセントラルパークとして貴重な森を維持している明治神宮です。
人工林のひとつの完成形として、お手本にさせていただいている森です。
このポット苗を今回の学校の森づくりに提供いただけるとのことで、本日いただきにあがりました。
あいにくの天気でしたが、NPO法人「響」の井梅事務局長さまから、活きのいい、ぷりぷりの苗木をいただきました。
明治神宮は万一の時には東京都民のいのちを守る森になります。
その思いや意義も、苗木と共にいただいて参りました。
[高野]
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[2011/06/07]
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もういくつ寝~る~と~植樹祭♪ |
縄を結束する杭の打ち込み. |
マウンドの完成. |
先週、泣いたり泣き止んだりと機嫌の変わりやすかった空ですが、今週はずいぶんとご機嫌のようです。
気温がみるみる上昇し、たちまち汗が落ちてきます。
昨日盛土が終わった植栽地は植樹祭へ向けて、仕上げにかかります。
ふわふわの基盤を滑らかに仕上げます。
自然の森には森林土壌と言う敷き布団に、落ち葉という掛け布団があります。
森づくりではこの落ち葉の代わりに稲ワラを使用します。
稲ワラは風などで飛散しないように保持するために縄で抑えます。
この縄を結束する杭を打ちこみました。
こうして植栽マウンドは完成。
植樹祭を今や遅しと待ち構えています。
明後日からは、植樹祭にむけての準備作業が始まります。
[高野]
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[2011/06/06]
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二層構造の土づくり完了! |
締め固まらないように注意して.... |
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雨模様の空を泣きべそと表現しますと、本日の天気は大爆笑とでも言うのでしょうか。
気温が30度近くまで上昇し、真夏の陽気です。
あごからぽたぽたと落ちる汗のしずくが止まりません。
ころころと機嫌の変わる天気に翻弄された現場ですが、ようやく終わりが見えてきました。
改良した表土をほっこらほっこらと締め固まらないように注意して、そっと置いていくように盛土していきます。
赤ちゃんを寝かせる敷き布団のように、お日様のにおいがたっぷりと詰まった、柔らかい土を広げていきます。
植えられた苗木は、この柔らかな表土をしとねに、耕転した下層土の奥深くまで根を伸ばしてくれることでしょう。
二層構造の土づくりが完了しました。
[高野]
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[2011/06/01]
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自然の森林土壌を目指して.
母材となる砂質土. |
有機物分となる堆肥と肥料分. |
それらを、混ぜる混ぜる混ぜる. |
つかのま泣き止んだと思った、空はもうべそをかき始めました。
もうちょっと、あとちょっとだけ。
祈るように見上げながら、表層土づくりの材料を運び込みました。
母材となる砂質土。
有機物分となる堆肥。
そして、ささやかな肥料分。
これらを均質になるように、何度も何度も混ぜ合わせます。
自然の森林土壌にはかないませんが、限りなくそれに近いものを目指します。
苗木にとっては産着であり、毛布です。
大きく育て、という熱い想いが最も不可欠な添加剤です。
[高野]
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[2011/05/31]
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森づくりは土壌が要 |
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週末泣くだけ泣いた梅雨の空は、ちょっぴりだけ笑顔を取り戻したようです。
つかのまの晴れ間に駆け足で作業が進められました。
下層土の耕転が完了しました。
踏めば足首まで沈むような、たっぷりと空気を含んだ、膨満な基盤ができました。
これならば、苗木の根は水を追って、ぐんぐんと伸びてくれることでしょう。
地表面から30cmくらいまでの浅い部分の土壌から木々は多くの水分や養分を吸収しています。
森林ではこの部分に落ち葉が分解されてできた、団粒構造を持つ、ふわふわの土壌が広がっています。
ゴミムシやダンゴムシが分解し、ミミズがさらに細かく耕した、腐葉土を含んだ森林土壌です。
この土壌が森づくりには欠かせません。
地面に穴を掘り、苗木を植えても、森を支える土壌が無くては思うように育ってくれません。
明日からこの表層土作りに入ります。
いよいよ、基盤工事は佳境です。
[高野]
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[2011/05/26]
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既存のものを利用しよう |
少し先の未来を想像しながら… |
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気まぐれな五月は一日しか微笑んでくれませんでした。
今日は今にも泣き崩れそうな空模様。
なだめすかして機嫌をとり、なんとか作業時間中はもってくれました。
植栽予定地には長さが50cmから1mほどの庭石が散在していました。
埋めてしまうのはもったいない。
そこで並べて飛び石にしました。
この飛び石、本領発揮は植栽後です。
森を抜けるトンネルになると嬉しいです。
[高野]
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[2011/05/25]
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土壌の耕転「ほっこらほっこら」 |
根が伸びていく土壌を拡げます |
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昨日の神頼みが通じたのか、朝から晴れ渡り、さわやかな五月晴れです。
土作りが本格的にスタートしました。
まずは下層土の耕転です。
現地盤は学校を造成した際に盛土されています。
土木重機によって転圧され、固く締まった地盤を掘り返します。
空気をたっぷりと含んだ、水はけの良い土になり、苗木の根がすみやかに伸長していくよう願いを込めて、
「ほっこら、ほっこら」と口ずさみながら掘り返していきます。
50cm掘れば50cm、1m掘れば1m、根が伸びていく土壌が広がります。
「苗木のためなら、え~んや、こ~ら♪」
ツバメが舞い飛ぶ五月の風に、作業がはかどります。
[高野]
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[2011/05/24]
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現状の地盤を診断。結果は? |
既存樹木も生かします。 |
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土いじりをする工事チームにとっては恨めしい雨模様です。
重機を搬入し、いよいよ重機作業開始です。
まずは現状地盤の診断からです。
試掘を行いました。
深さ2mまで掘削し、地層の構成を確認します。
地下水位はどうか?
根の伸長を妨げる岩盤層はないか?
洪積台地の代表格である武蔵野台地にあるこの多摩工業高校も、多分に漏れず、
学校を造成した際の盛土の下には玉石混じりの砂礫層が広がっていました。
水はけは良さそうです。
既存植栽のケヤキやモチノキを活かして森づくりを進めていきます。
明日からは下層土の耕転作業に入ります。
午後から雨が止み、晴れ間に覗いた太陽に合掌し、
梅雨到来の先送りを祈願しました。
[高野]
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[2011/05/23]
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基盤工事は我らにお任せ! |
小さな隣人たち! |
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国道16号線。
通称「東京環状」とも呼ばれ、東京を環状に囲う首都圏の大動脈とも言える幹線道路です。
今回の森づくりは、この国道16号線に接する東京都立多摩工業高校が舞台です。
6月12日の本番に向けて、舞台作りの裏側をご紹介します。
本日は大道具役とも呼べる基盤工事チームの着工日です。
少数精鋭ながら経験豊富な基盤づくりのプロフェッショナルです。
照れ屋の彼らをカメラの前に並べるのに一苦労しました。
今日からこのメンバーを中心に準備工事を進めていきます。
森づくり対象地は国道16号線に沿っている、幅4.5m、延長125mという帯状の範囲です。
現在2車線の道路ですが、近い将来の4車線化へむけて工事が進んでいます。
車線が倍になったときの、騒音、振動、大気汚染は大きな懸念です。
そのときにこの森が緩衝帯となってくれることでしょう。
大きな使命を背負った森です。
腕を奮う機会と気持ちが昂ぶっております。
初日の今日は本格始動を前にした準備作業を行いました。
さっそくムクドリの群れが掘り返された土から虫を拾いに殺到しました。
他にセキレイ、シジュウカラ、ツバメが集まってきました。
彼らの生きる森にもなります。
小さな隣人の期待も肌で感じつつ、初日の作業は終了しました。
[高野] |