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第29回 日本雑草学会シンポジウムに参加してきました
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2014年9月16日

第29回 日本雑草学会シンポジウム
わくわくドキドキ、おもしろバイオロジー 雑草サイエンス最前線

に参加してきました(愛知県名古屋市)。

多岐に亘る総説のような内容で、非常に面白かったので、その講演表題を列記します。

・水田雑草の生存戦略:種間比較から見えてくること。
・雑草の天敵 種子食性昆虫を増やす農地管理
・雑草の生き残り戦略の活用!?植物の遺伝子だけを使用した遺伝子組換え技術の開発
・おしべが不揃だと有利なわけ
・シソンを増やすかシサンを増やすか-雑草学と金融の深い関係
・種子の時代に決まる冬生雑草のライフスパン

その中の一部をご紹介します。

種子をたべる昆虫がいることをご存知ですか?

例えば、コオロギの仲間(エンマコオロギなど)やゴミムシの仲間などがそれにあたります。
このコオロギの仲間を増やして、農地の管理、つまりは除草の軽減に利用しようという取組みです。
コオロギ類の数が増加すると圃場に残る種子量が減るということがわかってきています。
また、発芽した雑草の新芽を食べるということもわかっているので、コオロギ類の密度を高めることができれば
雑草抑制効果を期待できるとのこと。
コオロギ類だけで年間通して除草作業を賄えるわけではないですが、雑草の生物的防除手段の一つとして、
総合的な雑草管理における利用が期待されています。

この話の中で、非常に興味を持ったことは、

「どうしたら田んぼの畔にコオロギ類を増やすことができるか」というテーマです。

田んぼの畔をヒメイワダレソウ、シバザクラ、センチピートグラス、ノシバ、メヒシバにし、
コオロギ類の個体数を把握したところ、前3種が個体数が多いことがわかりました。
メヒシバの種子をエンマコオロギは良く食べるのに、メヒシバよりもヒメイワダレソウ等の方が個体が多いとのこと。

なぜ????

後で演者の方といろいろと話していると、ヒメイワダレソウなどは植物体が匍匐して伸長しマット状になるため、
コオロギ類が逃げ隠れしやすいとのことでした。
そういうことから考えると、草丈が低いので、大型の捕食者が棲みにくい可能性なども考えられるかもしれませんね。
この時期になると草刈がよく行われ、その刈り草を取り上げると、その下にコオロギやクモがたくさんいることを
経験された方もいらっしゃると思います。
ヒメイワダレソウ等に個体数が多いというのはそういうことと同じなのかなと思いながら、

それならば、田んぼの畔を草刈をした時に、刈り草を取り除かずに置いておけばコオロギは増えるかもしれないと考えはせながら、
夜の懇親会になだれ込んだ次第です。

日本雑草学会シンポジウム_140915

(2014.9.15 山口 勉)


カテゴリ:コラム, 在来種による緑化



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