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今月のパリコレ ~二酸化炭素溶解装置~
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2011年2月7日

あなたなら,二酸化炭素(CO2)を水中に溶かすにはどうしますか?ストローで息をブクブクという方法もありますが,ボンベからエアストーンを通してブクブクという方法もあります.
しかし,そもそもなぜ二酸化炭素を水中に溶かす必要があるのでしょうか.それは,沈水植物(エビモとかセキショウモとか)の成長の制限要因となっているのが溶存二酸化炭素だからです.自然状態で実際どの程度溶けているのかとかいう細かい話はさておいて,水中の二酸化炭素濃度を少し上げてやることで,沈水植物の成長がすこぶる良くなります.熱帯魚屋さんなどに行ってみれば分かりますが,アクアリウム専用にやはり二酸化炭素を溶解させる様々な装置が販売されています.
そういうことで,なぜ,二酸化炭素を水中に溶かさなければならないかというと,水草を良好に育てるためだからです.しかし,熱帯魚屋さんに様々な装置が販売されているわけですが,なぜ,これがパリコレなのかという疑問が生じますね.それは今回対象とした現場の水槽の規模がご家庭のアクアリウムとは桁違いに大きいからです.そうです.プロ仕様,つまり水族館の要望に応えることができる二酸化炭素溶解装置を新たに開発したからです.
とはいっても,こういう複雑な装置は我々独自では開発できませんので,動物細胞培養装置のトップメーカーであるエイブル株式会社に協力を仰ぎました.エイブル株式会社では,動物細胞培養装置だけでなく,水族館の深海魚展示のための特殊な高圧水槽など,独創的な開発も行っている会社です.
いや~本当に驚きました.というか,何か不思議な気持ちになりました.
ボンベから出てくるガスは制御装置で一定量に絞られ,その先につながった特殊なチューブに送られます.特殊なチューブはチャンバー内での表面積を確保するためにコイル状に巻かれており,その末端は開放されています.普通に考えれば,ここから泡がポコポコと出てくる訳ですが,装置からは泡らしきものがほとんど出ないんです.これは,特殊なチューブの表面から二酸化炭素が物理的に水に溶け出して,二酸化炭素がチューブの末端に達するまでにほとんどが水中に溶けてしまっているからなのだそうです.何か魔法のような話ですが,動物細胞培養装置では常識的な話なのだそうです.さらに構造が単純なだけに壊れる部分がほとんど無いだけではなく,消耗品すらもほとんどありません.すばらしい装置が開発されました.
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私のような土木と生態学との狭間で活動している人間にとって,こうした現象はなかなか理解できないものです.まさにあちらの常識はこちらの非常識ですね.しかし,こうしたギャップを活かした物づくりができるのであれば,かなり面白いことになりそうです.
ところで,このプロフェッショナル仕様の二酸化炭素供給に興味のある方は,是非,お問い合わせください.
[木村保夫 e-mail: y-kimura@especmic.co.jp]


カテゴリ:在来種による緑化



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