愛知工業大学「海上の杜技術士会」で講師を行ないました。
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2014年11月5日
2014年10月25日愛知工業大学「海上の杜技術士会」第7回技術研修会、現地見学会で講師を行ないました。
タイトルは「愛知工業大学周辺の自然環境の保全と再生事例 ~在来種による緑化~」と題して
当日は、地域防災研究センター長の正木和明先生による「名古屋地盤の形成と自然災害」の基調講演を始めに、地域防災研究センター施設の機能を倉橋奨先生より紹介頂きました。
続いて現地見学会です。
現地見学会の視察先は、以下「在来種による法面緑化」として事前に資料の配布、私が説明しました。
その後、東海丘陵要素の貴重な生物が生息する「トンボ池の保全活動」、「猿投山北断層露頭箇所」、さらに「あいち海上の森センター」での説明を内田臣一先生がご担当頂きました。
私からは以下のようなご説明をさせていただきました。
当該、一般県道広久手八草線は2005年の愛知万博開催に合わせ長久手会場と瀬戸会場を結ぶ連絡道路として整備が進められました。
その取り組み事例の概要として、
- ・周辺環境に配慮した道路整備
① 動植物の分布調査を行い、生育・生息状況を確認
② 道路用地や工事の影響範囲に生息する希少種については、事前避難を実施
- ・環境に配慮した舗装
① 車道と歩道に透水性舗装を実施
② 透水性舗装は下の地盤まで連続した空隙を持つ構造をしており、様々な効果が期待できる
③ 愛知県では国土交通省中部整備局と共同で平成10年から車道の透水性舗装の研究を進め、この舗装の効果と健全性を確認
- ・法面の樹林化
① あらかじめ現地の植物群落を調査し、構成樹種を確認
② できるだけ早く樹林化する為の植樹方法を検討
③ 幼苗植栽により、法面の樹林化を実施
「法面の樹林化」経緯の説明
当該万博道路の法面樹林化に当たっては、道路整備によって改変される周辺環境への配慮として法面の樹林化が1997年より先だって法面樹林化のための各種工法試験を実施、その後3年間のモニタリング調査結果により、幼苗植栽による法面の樹林化が採用されました。
また2003年度より植栽工事に合わせ現地の植物群落を事前調査し、現存植生を緑化目標とした樹種選定がされました。さらには愛知万博のテーマ「自然への叡智」、生物多様性保全の観点から、地域性苗が望まれ、周辺母樹の調査は元より、どんぐり拾いを行い約30,000万本の苗の生産を行い、道路延長約1200mで発生する約27,000㎡の法面に22種類約60,000本の苗木が植栽されました。
研修参加者よりのご意見
・万博道路の法面だけでは無く、道路・造成等で発生する法面も樹林化する事が必要ですね。
・説明を受け、僅か10年経過した法面とは思いませんでした、非常に良い事例。
等々、土地利用の無い法面は、防災面・生物の多様性・景観を考慮し、樹林化の必要性を強く説明させて頂きました。
おわりに
今から100年以上も前(1905)に「日本三大はげ山県※」として呼ばれ、当時、森林復旧・治山工事に尽力された東京帝国大学のイタリア人教師アメリゴ・ホフマン氏も、叡智の歴史・緑の再生として、天国で微笑んで頂いている事と思います。
※日本三大はげ山・・・岡山県、滋賀県、愛知県
海上の杜技術士会の研修会参加へのお声掛け頂きました愛知工業大学 工学部 都市環境学科 土木工学専攻 河川・環境研究室 内田臣一先生、並びに技術士会の皆々様、有り難うございました。
大変勉強に成りました。
[鈴木正幸]
カテゴリ:在来種による緑化