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今日のパリコレ チガヤマットの2つの方向性(1)
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2012年8月20日

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 堤防などの法面(のりめん)は造成したばかりでは土がむき出しになっており,放置しておくと雨で土が浸食されてしまいます。そのため,法面の造成直後には浸食を受けないように何らかの方法で法面を覆う必要があるわけです。
 法面を早期に緑化する工法は法面が浸食を受けないようにするための方法の一つですが,種子を吹き付ける工法や種子の入ったシートを貼り付けるなどの工法がありますが,その中ででも,張り芝は優れた工法の一つといえます。しかし,どの工法にも利点と欠点があり張り芝の場合には,芝を維持するためにかなり費用がかかることが課題となっています。
 堤防法面などで芝を良好に維持するためには1年間に3~4回の刈り取りが必要となっていますが,昨今の財政事情ではこれを実現することはかなり困難な状況となっています。実際,多くの現場では除草頻度を下げざるを得ない状況で,その結果,多くの場合,芝から他の植物種に植生が遷移してしまうことがほとんどです。遷移によって成立する植生が堤防法面保護の観点から,あるいは生態系保全の観点から好ましいものであれば問題は無いのですが,好ましからざる植生となる場合がかなりあるようです。例えば,イタドリなどの広葉型草本が繁茂すると下草が生育せず,堤防の裸地化の原因となります。また,1年草であるネズミムギなどが優占した場合には大量に飛散する花粉が花粉症の原因物質となっている現状もあります。
 そのため,1) 初期導入費用が安く,2) 維持管理にかかる費用が安い,3) 在来種による植生,が必要ということになります。
 私たちの提案するチガヤマットは在来種を用いた張り芝状の製品で,上記に記した条件をかなり満たすことのできる緑化資材です。写真は長野県の天竜川のものですが,当時の堤防にはオオキンケイギクが繁茂し,ロゼット状に展開する葉によって下草が被圧されて裸地が生じ,堤防はかなり浸食を受けた状況となっていました。堤防改修に併せ,平成9年にチガヤマットが設置されましたが,平成24年においても,年間1~2回程度の除草条件下で良好にチガヤ群落が維持されています。
 チガヤマットは在来種による法面緑化資材として開発されましたが,市場調査を続けていると堤防法面緑化としてだけではなく,そのほかに2つの方向性があることが分かりました。1つは,在来種草地創出のための工法,もう1つは,流速耐性を高めた水際の法面緑化資材です。
次回以降,この2つの方向性について説明することにしたいと思います。
[2012/8/20] 木村保夫


カテゴリ:在来種による緑化



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