2000/12/01(金)愛知県 大口西小学校ビオトープ ~地域とつくる学校ビオトープ~
愛知県丹羽郡大口町にはエスペックミック株式会社の本社があります.地元の大口西小学校の敷地730㎡の敷地において,上・中・下流の演出を施した水辺が創出された.
ビオトープの基盤は荒木田土を叩いたもので,そこにベストマンロールを設置して,上流域にセキショウ,ツルヨシを,中流域にアゼスゲ,カキツバタを,そして,下流域にヨシ,コガマ,マコモを植栽した.
植栽した植物の生育は非常に良好で,およそ6ヶ月後には良好な水辺の空間が形成された.
2001年7月撮影
西っ子の里山
2002年6月撮影
竣工当初はポンプを稼働させると,池部でかなり水位が低下する状況があったため,これは漏水ではないかと考えられた.しかし調べてみると,どうやらポンプがかなり強力で,ポンプを稼働すると上流に水が偏ることが原因であることが分かった.何でもそうであるが,分かってしまえば簡単なことであるが,この場合でもその原因の究明はなかなか大変であったようである. どこのビオトープでもそうだが,竣工当初は藻(糸状藻類)がかなり発生する.大口西小学校ビオトープでも当初はかなり藻が発生し,頻繁に除去しなければならない状況であった.こうした藻の発生は,一概には言えないが年数を経るとともにある程度のレベルに抑制された状態で安定することがある.これは次第にビオトープの生態系が複雑になることと関係があると思われる.いつまでも藻が発生する場合,かなり単純な生態系が形成されていることを疑う必要があるだろう.
[木村保夫]
[2000年12月1日]