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長野県 奈良井川 ~カゴマット上への植生の定着~

   

写真左:施工後およそ7ヶ月後の状況.写真右:施工中の状況.奥がカゴマット,手前がカゴマットに覆土を行った状況.

カゴマットはコンクリート護岸と異なり,中に詰められた礫に空間が形成されるため,より生物に配慮した護岸として活用されています.しかしその一方で,植生の定着が困難であるという側面も持っています.

美しい山河を守る災害復旧基本方 針(社団法人全国防災協会)によれば,「自然環境の保全を重視する世論の高まりに配慮し,災害復旧事業においても”鉄線蛇篭型護岸”等を一部で実施してい るが,これは従来のコンクリートを使用した護岸に比べて費用が少なくてすむという経済性が重視されているにすぎず,植生が繁茂することにより動植物の生態 系を回復しているという環境機能の重要性を鑑みれば,植生の回復しやすい環境保全型の他の工法についても積極的に実施する必要がある.」とされているな ど,カゴマット上への植生の回復の困難さが問題視されています.

しかし,その一方でカゴマットの持つ空間と植生とを同時に兼ねそなえることができれば,経済性に優れ,且つ,より多くの生物の生息を可能とする護岸が形成されるものと考えられます.

今回,奈良井川では,水際部分で はありますが,ベストマンシステムの使用によりカゴマットに植生を定着させることに成功しました.右上の写真の様に,カゴマットに覆土を行いました.この まま放置すると流水によって土壌が流出してしまいます.しかし,覆土厚が10cm程度であると,通常のポット苗の植栽はできません.この様な困難な状況に 対してベストマンシステムではベストマンパレット(マット)を使用することにより,確実に植物の定着を可能にしました.そして僅かな期間で植生護岸を形成し,土壌の流出を防止することが可能となりました.

ベストマンパレット(マット)をカゴマットの上に敷設している状況.設置は非常に容易です.ベストマンパレットは覆土した上を面的に覆うことが可能です.また,パレットの裏面には根茎が充実しているため,根が面的に土壌に伸び,土壌を緊縛します.

今回導入した植物種はツルヨシです.この様な中上流域に優占する植物です.

カゴマットへの固定はくさび形止杭とシュロ縄によって行います.これらの固定は一時的なもので,将来的には植物の根茎がカゴマットの中に伸びることによって,より強固に固定されます. 

この様に,植物が面的に生育すると,根茎によって土壌を緊縛するだけではなく,出水時に流速方向に倒伏し表面の流速を弱めるため,効果的に土壌の流出を防ぐことができます.

これまで,法面などの緑化には短 期間で緑が形成されることを目的として牧草類が使用されていました.しかし,河川の様に出水時に流水のインパクトがある環境条件では,うまく定着すること ができません.そのため,”護岸としての機能”をもち,且つ”その河川に必然的な植物”を選択することが大切です.

[木村保夫]

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