べステックロックロール べステックロックロール(ネット蛇カゴ)は繊維系の蛇カゴです。
- 型式:STW200 、STW300 、STW400 NETIS登録番号:CB-010051
特徴
●べステックロックロール(ネット蛇カゴ)は繊維系の蛇カゴです。従来の鉄線の替わりに、耐候性マルチフィラメントポリプロピレン無結節ネットが使用されています。※1
●河床、河岸の変動に柔軟に追随して曲がるため、河岸の局所洗掘による破壊を防ぎ、複雑な河岸形状の復元が可能となります。
●鉄線と異なり腐食しないため、海水や汽水域においても有効です。
●べステックロックロールは水際部に設置するだけでなく、多段積みすることも可能です。
※1 耐候性マルチフィラメントポリプロピレン無結節ネットは、化学的に不活性で耐候性があります。また、無結節であるため、部分的にネットが破損しても全体が解れることはありません。
仕様
型式 | STW200 | STW300 | STW400 |
径 | 20cm | 30cm | 40cm |
長さ | L=2.0m | L=2.0m | L=2.0m |
重量※1 | 約40kg/m | 約90kg/m | 約170kg/m |
中詰材 | 割栗石(玉石も可能) |
製品寸法・規格図
べステックロックロールの中詰材に関して
ベステックロックロールの中詰材は、割栗石や玉石を選択することができます。玉石を詰めたべステックロックロールは、せせらぎ水路やビオトープなど人が水辺に近づく場所に適しています。
従来品からの改善点に関して
ベステックロックロール(ネット蛇カゴ)はあらかじめ石が詰められた完成品の蛇カゴです。鉄線の替わりに耐候性マルチフィラメントポリプロピレン無結節ネットが使用されています。そのため、特に親水性や生態系への配慮において、従来品における問題点を解決することが可能となりました。以下の表に改善点を記します。一方、繊維ネットを使用しているため、耐衝撃性は従来の鉄線蛇カゴよりも劣ります。災害復旧や本護岸としては依然として鉄線蛇篭が重要な役割を果たしています。
このようなベステックロックロール(ネット蛇カゴ)の特性をうまく活用することで、従来では困難であった親水性のある水辺や生態系に配慮した水辺を創出することが可能となります。
製品 | べステックロックロール | 従来品(一般的な鉄線蛇カゴ) |
形状 | ||
使用材料 | 耐候性マルチフィラメントポリプロピレン無結節ネット 充填材料:割栗石(φ50-150)あるいは、玉石 |
亜鉛アルミニウム合金めっき鉄線 充填材料:割栗石(φ50-150)あるいは、玉石 |
耐久性 | 生物学的に中立で化学的に不活性。そのため、感潮域や海域での使用が可能である。 | 土壌中で40年、制止水中で10年程度。感潮域や海域では腐蝕が早まる。 |
柔軟性 | 高い屈とう性を持つため、洗掘を受けるなどして変化した地盤形状に対し、柔軟に追随する。 | 屈とう性が低いため、洗掘をうけると地盤と蛇カゴの間に隙間が生じる。 |
親水性 |
繊維ネットなので鋭利性がなく、安全である。 |
滑りや引っかかりなど、やや危険がある。 |
生態系への配慮 |
繊維ネットは給水性があり、コケや植物が定着できるなど、全体的に植物が定着しやすい。 |
乾燥しやすく、植物の定着は困難である。一方、高い空隙率は生物の生息空間として機能する。 |
親水性 |
完成品であるため、現地では設置作業を行うだけでよい。高い強度の繊維ネットは3ヶ所程度のフックがけで吊り上げることができる。 |
ものによっては組み立て作業から行わなければならない場合がある。また通常、石詰めは鉄線の設置後手作業で行う。 |
べステックロックロールの設置方法に関して
右の図のように、水際の根固めとしてロックロールを設置し、その植えに植栽基盤としてベストマンロール(植生ロール)を設置する場合、以下の手順で作業を行います。 | |
写真左:べステックロックロール(ネット蛇カゴ) 写真右:ベストマンロール(植生ロール) |
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ベステックロックロールをクレーンで吊り上げ、設置場所まで移動します。 | |
べステックロックロールを所定の位置に設置します。この際、専用のPPロープにより、ロックロールに結束します。 | |
べステックロックロールに異形鉄筋の杭を打ち込み固定します。異形鉄筋は先端を尖らせたものを使用します。 異形鉄筋にはベストマンロール(植生ロール)も結束固定するため、打ち込み時には30~40cm残すようにします。 |
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異形鉄筋は1.0m間隔で打ち込みます。写真は異形鉄筋杭の打ち込みが完了した状況です。 | |
異形鉄筋にベストマンロールを専用の紐で結束固定します。ベストマンロールとベストマンロールの間は専用の紐で結束固定します。 | |
施工2年度の状況。現場は埼玉県飯盛川。 |