2004/05/25(火)愛知県 青木川 ネズミムギ群落から在来種群落への置き換え試験

2004年 施工初年度
[2004/05/25] 施工前
[2004/10/08] 外来種置き換え試験
[2004/10/18] 外来種置き換え試験(植栽会)

2005年 施工1年目
[2005/05/10] 現況確認
[2005/09/13] 現況確認
[2005/11/18] 外来種について勉強会


2006年 施工2年目
[2006/02/22] 現況確認
[2006/02/24] 外来種置き換え試験(第2回植栽会)
[2006/03/07] 堆積土撒き出し試験
[2006/04/26] 現況確認
[2006/06/04] 現況確認
[2006/10/28] 現況確認

2007年 施工3年目
[2007/01/14] 現況確認
[2007/04/09] 現況確認
[2007/05/23] 現況確認
[2007/08/20] 現況確認
[2007/10/13] 現況確認
[2007/12/09] 現況確認


[2007/12/09] 現況確認
181220_049.jpg
右岸にはヨシ群落が維持されており,
左岸側もオギ群落となっている.ネズミ
ムギの抑制された状況が維持されている
181220_050.jpg
上流側は鮮やかな緑色が
ネズミムギ群落となっている
 


181220_051.jpg
9月に刈り込まれたヨシ群落は
1m程度の草丈となっている
181220_052.jpg
ネズミムギ群落.カサスゲやヨシも混生
するが,ネズミムギに圧倒されている


 ネズミムギは越年草であるため,冬枯れの季節でも青々とした葉を茂らせています.施工前は,ネズミムギが茂っていた高水敷は,ヨシ群落,オギ群落に置き換えられ,継続的に維持されています.この創出されたヨシ,オギ群落の上流は一面ネズミムギ群落となっていることから,植生の置き換えを行わなかった場合にはネズミムギ群落が維持される環境であったといえます.
青木川のように川幅が狭い河川では,草丈が2mを超えるようなヨシ群落では川面が見えづらく,鬱蒼とした感じを受けるため,夏から秋にかけて刈払い作業が行われています.たかが刈払い作業ですが,ネズミムギの種子が漂着しやすい環境であるため,作業時期を間違えるとネズミムギに被圧される可能性があります.今回,ヨシ群落は8月から9月に刈り払われており,その後,高さ1m程度の群落に回復したことから,ネズミムギの成長を抑制することができました.ヨシ群落への置き換え作業を行った場所は,適切な時期に維持管理が行われることによって,ネズミムギを抑制するとともに,川の流れが十分確認できる明るい水際となっており,河川植生として望ましい状態に維持されているといえます.

[吉野知明]

続きを読む

2003/05/17(土)愛知県 庄内用水(光音寺公園ビオトープ)~多様な生物が生息できる川へ~

名古屋市内を流れる庄内用水は、護岸はブロック、河床はコンクリートでかためられた水路でした。名古屋市では、「水の回廊」事業の一環として、公園と隣接したこの水路の一部をビオトープとして整備することを検討しました。コンクリートブロックの護岸を撤去し、なだらかにして水際にアクセスしやすい構造とし、水辺には植栽済みベストマンロールが設置されました。また、北区の小学校の子どもたちによって、大型ルートボールなどが植えられました。2011年4月17日に完成記念式典が行われたようです。


181221_003.jpg
内袋付のヤシ土嚢
181221_004.jpg
内袋に土を入れる
181221_005.jpg
河床に設置する


181221_006.jpg
河床に設置する
181221_007.jpg
軽く掘って土が入ったヤシ土嚢を設置
181221_008.jpg
最後に砂利で覆い設置完了


私たちはここで沈水植物マットを設置させていただきました。内袋付きのヤシ土嚢の内側に、沈水植物の根が張ったマットを取りつけてあります。現場ではまず内袋に土を入れ、自重をもたせました。コンクリートであった河床には砂利が敷かれ、そこを軽く掘って土が入ったヤシ土嚢を設置します。隙間から新芽が出てくるといった仕掛けです。沈水植物はヤナギモ、ササバモ、セキショウモを導入しました。水位は設置時よりもうすこし上昇する予定です。沈水植物や湿生植物が繁茂し、魚や水生昆虫が見られ、子どもたちがたくさん集まる川になると期待されています。
右の新聞記事は読売新聞(2011年4月8日掲載)より抜粋したものです。 記事をクリックしていただくと、大きな画像でご覧いただけます。


181221_009.jpg




[2003年5月17日]

2001/04/01(日)愛知県 花の木地区水辺環境整備 ~せせらぎ水路の創出~

181221_010.jpg



愛知県安城市横山町において農村環境整備事業として実施されました.その地域に生息する野鳥や昆虫等の生息環境を確保するとともに,自然環境のネットワークを構築を図るために,せせらぎ水路が創出されました.また,子供達の遊び場として親水池も合わせて創出されました. せせらぎ水路には,生物の生息環境への配慮とともに,良好な景観を形成することも必要であることから,常緑のセキショウや花の美しいカキツバタが植栽されました.水際にはベストマンロールを設置し,初期に土が流出するのを抑えました.

続きを読む

2000/12/01(金)愛知県 大口西小学校ビオトープ ~地域とつくる学校ビオトープ~

181221_016.jpg
全国学校ビオトープコンクールにて優秀賞を受賞


愛知県丹羽郡大口町にはエスペックミック株式会社の本社があります.地元の大口西小学校の敷地730㎡の敷地において,上・中・下流の演出を施した水辺が創出された.

続きを読む

1999/03/01(月)愛知県 温故井池 ~水生植物による温故井池の修景と環境復元および水質浄化~

181226_003.jpg



より自然味豊かな環境の創出を計るために,温故井池の一部に水生植物を導入し,景観や生態系に配慮した環境づくりを行いました。水生植物群落は多様な水生生物の生息地となり,特に魚類の産卵場所や稚魚の生息場所として機能します。また,水生植物による水質浄化作用,植物群落による景観的効果も期待できます。一般に水生生物の生活拠点のポイントとして, ○ 水際は極力多孔質もしくは,植物による構造とする。 ○ 流れや水深の変化,水際部の直線化,単純化を避ける。 ○ 水辺の植物群落は在来種の早期再生を目指す。 などが生態的な環境に効果的であるとされています。
181226_004.jpg
施工直後:1999年3月
181226_005.jpg
植生護岸工:2000年5月
181226_006.jpg
植生護岸工:2001年7月


植生護岸(L 76m,W 1.5m) 温故井池の水際は岩組護岸が配置されていますが,その前面に水生植物群落が形成すると,岩との組み合わせによって,より自然に近い景観が形成されるものと考えています。また,水際のヨシ群落には水質浄化の効果や,小動物のすみかとしての機能があります。
181226_007.jpg
ベストマンアイランド施工(16ユニット)
:1999年3月
181226_008.jpg
ベストマンアイランド施工
:2000年5月
181226_009.jpg
ベストマンアイランド施工
:2001年7月


人工浮島(64㎡) 人工浮島はステンレスパイプを三角形に組み合わせたもので,ドイツでは1979年から普及している製品です。 この人工浮島にはヨシ,ガマ,マコモ等の水生植物が植栽されており,多くの根が水面下にカーテンのように垂れ下がります。植物はここから,水質悪化の原因となっているチッソやリンを吸収します。また,水面下に垂れ下がった根は,魚類の産卵場所や稚魚の生活場所として機能します。


[1999年3月1日]