2009/04/17(金)岐阜県 木曽三川公園長良川高水敷河岸整備工事 ~グリットシーバー~

グリットシーバーは ジオテキスタイルに野芝の根が絡んだ植生護岸材です。一般に、洪水時に水が堤防へ上がってくる場合、通常の張り芝工では出水時に流水の力によりめくれてし まいます。治水を考慮したジオテキスタイル工やブロックマット工は、流速に耐えられても、植生が回復するまで時間がかかります。しかし芝と一体化したグ リットシーバーは、流速4m/sまで対応することが可能なので、緑化をしながらブロックマットと同様に流速の出る川表側の堤防にも使用することができます。裏面に不織布がついているため、堤防土壌の吸い出しも抑制されます。


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グリットシーバー
平成21年5月23日撮影.
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施工前の状況
平成21年4月17日撮影.
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設置直後の状況
平成21年5月28日撮影.


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生育状況(施工後3ヶ月)
平成21年9月2日撮影.
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生育状況(施工後8ヶ月)
平成22年1月16日撮影.


木曽三川公園長良川高水敷河岸整備工事ではグリットシーバーを採用して頂きました。一見張り芝工に見えますが、芝がまだ根付いていない施工直後でも護岸として成立しています。現在でも良好に芝が生育しています。


[2009年4月17日]

2008/03/25(火)三重県 木曽岬町 グリーンフェンダー

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海抜0m地帯の河川や水路では鋼矢板護岸が多用されきましたが,自然環境の整備を行う上で困難な場所の一つです.このような場所では,植栽済みベストマンロール(植栽済み植生ロール)をつり下げる”グリーンフェンダー”が効果的に機能します.












グリーンフェンダーには植栽済みベストマンロールを使用しますが,設置直後から目的とする植物群落が形成され,極短期間で良好な景観を形成することができま す.また,水域と陸域とを連続させることができますので,カエルや水生昆虫などの水域と陸域とを行き来する生物の保全にも大きな効果が期待できます.

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2007/09/07(金)大阪府 松尾川上流ワンド整備事業 ~ワンドのビオトープ機能とその再生~

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大阪府和泉地方を流れる松尾川の上流域において 河川公園整備と併せて河川生態系保全・再生のためのワンド整備が実施されました。 「湾処」と書いてワンド・・・昨今ではこのワンドを備える河川というのはほとんど見られなくなってきましたが、ワンドは稚魚や鳥類の生活の場として、また 水辺の生き物にとっての出水時における避難場所として機能する河川生態系にとって非常に重要な舞台となります。ツ黴€ 人工的にワンドを新しく整備するというのは決して容易な事ではありません。せっかく整備しても生き物が集まってこない、出水によりワンドそのものが崩壊し てしまう、土砂堆積によりワンドが完全に埋まってしまう事も数多く報告されています。また植生という側面にも湿地状態がうまく保てなかった結果、ワンド周 囲が外来の陸生種(セイタカアワダチソウ・セイバンモロコシ等)に覆い尽くされてしまったり、逆に裸地(無植生)の状態が継続的に続いてしまったりという 問題が生じる事があります。ワンドでの豊かで安定した我が国本来の水辺生態系構築のためには、施工時段階における水辺の植生整備はやはり必要となるケース が多いのではないでしょうか。

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2007/03/26(月)兵庫県 武庫川上流 オギ群落の再生

[2007/07/05]
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試験植栽範囲全景
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大型苗植栽部の状況
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大型苗から新しく伸長した地下茎
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プラグ苗植栽部の状況
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プラグ苗アップ
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プラグ苗の根茎発達状況
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隣接エリア(オギ根茎表土利用部)①
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隣接エリア(オギ根茎表土利用部)②
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低水敷部の状況


試験植栽から約3ヶ月経過し、オギの生育状況確認に行って来ましたのでご報告します。
まず大型ルートボールのオギは全ての苗が順調に成育していました。雨水による法面の表土浸食の跡は見られるものの竹串による苗固定の効果もあってか苗自体の脱落は全く起きていません。掘り起こしてみたところ地下茎伸長による新芽の展開も始まっていました。
ルートボールミニ(プラグ苗)のオギについては期待していた程の成長はまだ見られません。植栽後の一時的な乾燥を受けてか、一度葉を落とした痕跡が見られます。根茎の枯死までには至らず何とか復活して現在に至るといったような状況でした。しかしながら掘り起こしてみると、明らかに植栽当時よりも発達した根系が確認出来ましたので、今後の巻き返しが楽しみです。

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2007/03/01(木)京都府 福田川総合流域防災工事 ~河川感潮域・汽水域におけるヨシ群落の再生~

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福田川(水系)は京都府浅茂川漁港で日本海 に注ぐ二級河川で、流域の80%が山地で上流域にはゲンジボタルが生息し、下流域では緩やかな流れの川岸において見事なヨシ群落が至る所で見られます。しかしながら河口含めた下流域の網野市街地は昭和34年の伊勢湾台風や平成10年の集中豪雨等これまで幾度となく堤防決壊や溢水による浸水被害がもたらされてきました。これを受けて平成17年から福田川とその支流新庄川の延長約2.5km区間において堤防の嵩上げ・強化及び河道の拡幅事業が進められています。河川整備の目標として掲げられたのは
「ふるさと網野の、美しく豊かな環境と、人々のくらしを守る川づくり」

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