1997/07/15(火)滋賀県 栗東市調整池 ~調整池コンクリート護岸の水辺緑化~
今日では多くのため池がコンクリート護岸で覆われている.かつて,かつて良好な水質と多様な生物が生息していた農業用のため池でも,管理を容易にするために,土羽であったため池をコンクリート護岸とすると急速に水質の悪化と生物多様性の減少が生じる場合が多い.コンクリート護岸と水質の悪化や生物多様性の 減少の原因は明らかではないが,やはり,ため池の水質は周囲の環境と連携しているのかもしれない.土羽のため池を維持管理するには非常に大きな労力を必要とするために,コンクリート護岸となるのはやむを得ない場合もある.ただ,その場合にはできるだけため池の機能を損なわないような配慮が必要である.
1997/06/03(火)長野県 諏訪湖 ~植生護岸による湖岸の浸食防止~
水際に発達したヨシ群落は,湖岸の景観を柔らかいものとし,また波浪のインパクトから湖岸の浸食を守ることができる.ベストマンロール(BR506,φ50cm(植生ロール))に植栽した苗(ベストマンルートボール BC06(ヤシ繊維基盤ポット苗))の大きさは,植物高がわずか50cm足らずであったが,ベストマンロールが安定した生育基盤として機能し,現在では高さ3.5mにまで成長している.
一般に湖沼 におけるヨシ原の復元は,堤防前面に覆土を行い,そこにヨシを植栽する方法を採ります.この際,覆土前面は波浪により湖岸が浸食されるため,板柵工を施し たり,離岸堤を設置する必要がありました.しかしこの場合,施工が大がかりとなり,ちょっとした現場ではなかなか実践することが出来ないのが現状です.
ヤシ繊維基盤の上で育成させた植物苗です.
波浪や流水の影響を受けても基盤が流失しません.
置きに向かって発達したヨシ群落は景観的に優れているだけではなく,生態的にも大きな役割を果たしています.
[木村保夫]
[1997年6月3日]