2011/04/08(金)愛知県 中井筋せせらぎ水路

181220_003.jpg

施工およそ3ヶ月後の状況

親水空間の創出のため,農業用水の水を使用してせせらぎ水路を創出しました.住宅地に近いこともあり,修景的要素を中心に設計されました.水際の植物は植裁済みベストマンロールが使用され,わずかな期間で良好な景観が形成されました.

短期間に良好な景観を形成させるためには,小さな苗を植裁するよりも植裁済み製品(植裁済みベストマンロール,ベストマンパレット等)の使用が効果的です.

ポット苗の植裁直後は苗と苗の間から様々な雑草が発生します.一般的に荒れ地の雑草は成長が早く,施工直後から短期間で植裁した植物を覆い隠してしまうこともあります.また,このような状態になった後の維持管理は多くの労力を必要とします.


181220_004.jpg
 =>
2003年5月7日
181220_005.jpg
2003年6月16日


写真から明らかなように,植裁済みのベストマンシステムの製品は雑草の種子が発芽成長する前に,導入した植物が群落を形成するため,雑草の発生を効果的に抑制することができます.

中井筋せせらぎ水路では,水路の 遮水にベントナイト系の遮水シート(パラシール)を使用ています.シートの上に土を入れ,植裁済みロール設置していまが,水域に植物が広がらないように水 底は薄くモルタルで固められています.植物の成長とその抑制のバランスを考えた設計といえるでしょう.

[2011年4月8日]

2008/03/01(土)愛知県 岩ヶ池

岩ヶ池は『刈谷ハイウェイオアシス』に隣接する農業用のため池です。このため池は造成後裸地の状態が続いたため、写真のように雨水の表面流去と波浪による法面侵食がおこりました。ここでは植生工により法面侵食を抑え、緑化を図る事が提案されました。しかし現地の明らかに波浪のものと思われる侵食が強く、オーバーハングしている箇所も見られました。ここに単純に植物を植えただけでは、波の物理的影響で苗が衰退し活着しません。


181220_006.jpg
181220_007.jpg
181220_008.jpg
181220_009.jpg

続きを読む

2007/06/15(金)愛知県 平戸池

[2007/8/2]
181220_018.jpg

ベストマンアイランドと水際の植裁済みベストマンロール状況

これは私の上司が撮ってきた写真です。天気が悪いので良くわかりませんが、まぁまぁ育っているとの事でした。近くで見たいものです。池が大きいと中央部を見るためには望遠鏡が必要です(トランシットでも持っていこうかな)。周囲の植栽済みベストマンロールは順調です。

続きを読む

2004/05/25(火)愛知県 青木川 ネズミムギ群落から在来種群落への置き換え試験

2004年 施工初年度
[2004/05/25] 施工前
[2004/10/08] 外来種置き換え試験
[2004/10/18] 外来種置き換え試験(植栽会)

2005年 施工1年目
[2005/05/10] 現況確認
[2005/09/13] 現況確認
[2005/11/18] 外来種について勉強会


2006年 施工2年目
[2006/02/22] 現況確認
[2006/02/24] 外来種置き換え試験(第2回植栽会)
[2006/03/07] 堆積土撒き出し試験
[2006/04/26] 現況確認
[2006/06/04] 現況確認
[2006/10/28] 現況確認

2007年 施工3年目
[2007/01/14] 現況確認
[2007/04/09] 現況確認
[2007/05/23] 現況確認
[2007/08/20] 現況確認
[2007/10/13] 現況確認
[2007/12/09] 現況確認


[2007/12/09] 現況確認
181220_049.jpg
右岸にはヨシ群落が維持されており,
左岸側もオギ群落となっている.ネズミ
ムギの抑制された状況が維持されている
181220_050.jpg
上流側は鮮やかな緑色が
ネズミムギ群落となっている
 


181220_051.jpg
9月に刈り込まれたヨシ群落は
1m程度の草丈となっている
181220_052.jpg
ネズミムギ群落.カサスゲやヨシも混生
するが,ネズミムギに圧倒されている


 ネズミムギは越年草であるため,冬枯れの季節でも青々とした葉を茂らせています.施工前は,ネズミムギが茂っていた高水敷は,ヨシ群落,オギ群落に置き換えられ,継続的に維持されています.この創出されたヨシ,オギ群落の上流は一面ネズミムギ群落となっていることから,植生の置き換えを行わなかった場合にはネズミムギ群落が維持される環境であったといえます.
青木川のように川幅が狭い河川では,草丈が2mを超えるようなヨシ群落では川面が見えづらく,鬱蒼とした感じを受けるため,夏から秋にかけて刈払い作業が行われています.たかが刈払い作業ですが,ネズミムギの種子が漂着しやすい環境であるため,作業時期を間違えるとネズミムギに被圧される可能性があります.今回,ヨシ群落は8月から9月に刈り払われており,その後,高さ1m程度の群落に回復したことから,ネズミムギの成長を抑制することができました.ヨシ群落への置き換え作業を行った場所は,適切な時期に維持管理が行われることによって,ネズミムギを抑制するとともに,川の流れが十分確認できる明るい水際となっており,河川植生として望ましい状態に維持されているといえます.

[吉野知明]

続きを読む

2003/05/17(土)愛知県 庄内用水(光音寺公園ビオトープ)~多様な生物が生息できる川へ~

名古屋市内を流れる庄内用水は、護岸はブロック、河床はコンクリートでかためられた水路でした。名古屋市では、「水の回廊」事業の一環として、公園と隣接したこの水路の一部をビオトープとして整備することを検討しました。コンクリートブロックの護岸を撤去し、なだらかにして水際にアクセスしやすい構造とし、水辺には植栽済みベストマンロールが設置されました。また、北区の小学校の子どもたちによって、大型ルートボールなどが植えられました。2011年4月17日に完成記念式典が行われたようです。


181221_003.jpg
内袋付のヤシ土嚢
181221_004.jpg
内袋に土を入れる
181221_005.jpg
河床に設置する


181221_006.jpg
河床に設置する
181221_007.jpg
軽く掘って土が入ったヤシ土嚢を設置
181221_008.jpg
最後に砂利で覆い設置完了


私たちはここで沈水植物マットを設置させていただきました。内袋付きのヤシ土嚢の内側に、沈水植物の根が張ったマットを取りつけてあります。現場ではまず内袋に土を入れ、自重をもたせました。コンクリートであった河床には砂利が敷かれ、そこを軽く掘って土が入ったヤシ土嚢を設置します。隙間から新芽が出てくるといった仕掛けです。沈水植物はヤナギモ、ササバモ、セキショウモを導入しました。水位は設置時よりもうすこし上昇する予定です。沈水植物や湿生植物が繁茂し、魚や水生昆虫が見られ、子どもたちがたくさん集まる川になると期待されています。
右の新聞記事は読売新聞(2011年4月8日掲載)より抜粋したものです。 記事をクリックしていただくと、大きな画像でご覧いただけます。


181221_009.jpg




[2003年5月17日]