検索条件
一般的な水路の改修事例
水路の改修というと一般的にはU字型一直線の灰色の光景(左写真)が目に浮かんでしまいますが,豊能町の水路では水路としての機能を維持させながらも,できるだけ自然に近いものにすることが検討されてきました.
そうした中,この水路では護岸には多孔質ブロック,護床にはロックロール(STW200;ネットジャカゴ)及びルートボール(BC06 ヤシ繊維基盤ポット苗(φ6cm),植物種:セキショウ)が導入されました.ちなみに当該水路は修景施設ではありません.下の4枚の写真が施工時の流れです.
続きを読む
自然再生工事後の清水川.片岸のみ施工が完了した状態.2003年5月
近年,様々な河川で自然再生事業 が行われるようになってきました.従来行われてきた,多自然型川づくりと何が異なるでしょうか?国土交通省河川局河川環境課発行のパンフレットによれば, 『自然再生事業は河川環境の保全を目的とし,流域の視点から「川のシステム」を再自然化する河川事業です.』とあります.具体的には,堰の運用改善による 水位変動の回復やダムの土砂バイパスにより河床を再生させるなどの取り組みがなされています.すなわち,河川のダイナミクスを修復することが自然再生事業 において重要な位置を占めていると言うことなのでしょう.今思えば,従来の多自然型川づくりでは,”河川”という”動的”な環境に対し,比較的”静的”な 取り組みを行っていたように感じます.
続きを読む
▲ 施工後3ヶ月の状況(2002年8月)
岐阜県関市寺田地内を流れる基幹農業排水路において水路の再自然化を行うための試験が実施されました.
農業排 水路は,水田の排水をよくするために,一般に深く掘り下げられ,且つ,水の流れを阻害しないようにコンクリート2面,あるいは3面張りとなることがほとん どです.以前は素堀の水路が至る所にあり,いわゆる”落とし”と呼ばれ,様々な生き物の生息空間として重要な役割を果たしていました.しかし,社会経済情 勢を背景に農業の効率化が重要な課題となると,それらの素堀の水路は全国からほとんど姿を消してしまいました.
排水路の本来の目的は”利水”であるため,その効率を最大限に発揮するために,あるいは施設の維持管理の労力をできるだけ削減するためには,水路の三面コンクリート化はある面では必要な作業であったのであると思います.
続きを読む