2011/04/08(金)愛知県 中井筋せせらぎ水路
施工およそ3ヶ月後の状況
親水空間の創出のため,農業用水の水を使用してせせらぎ水路を創出しました.住宅地に近いこともあり,修景的要素を中心に設計されました.水際の植物は植裁済みベストマンロールが使用され,わずかな期間で良好な景観が形成されました.
短期間に良好な景観を形成させるためには,小さな苗を植裁するよりも植裁済み製品(植裁済みベストマンロール,ベストマンパレット等)の使用が効果的です.
ポット苗の植裁直後は苗と苗の間から様々な雑草が発生します.一般的に荒れ地の雑草は成長が早く,施工直後から短期間で植裁した植物を覆い隠してしまうこともあります.また,このような状態になった後の維持管理は多くの労力を必要とします.
写真から明らかなように,植裁済みのベストマンシステムの製品は雑草の種子が発芽成長する前に,導入した植物が群落を形成するため,雑草の発生を効果的に抑制することができます.
中井筋せせらぎ水路では,水路の 遮水にベントナイト系の遮水シート(パラシール)を使用ています.シートの上に土を入れ,植裁済みロール設置していまが,水域に植物が広がらないように水 底は薄くモルタルで固められています.植物の成長とその抑制のバランスを考えた設計といえるでしょう.
[2011年4月8日]
2010/09/15(水)大阪府 JAいずみの農産物直売所「愛彩ランド」調整池水辺緑化~在来の水生植物群落による水辺の修景~
2010/08/23(月)三重県 大堀川支川 ~水位の上下変動を克服せよ~
余談ですが、植物採取した大堀川本川では様々な植生が自由に生育し、その中にたくさんの魚や貝類が見られ、ここは多様で自然豊かな環境なんだなぁとすがすがしい気持ちで作業を行いました。
生産圃場での生産に先だって、試験施工が行われました。
というのも大堀川は河口に近く、干満の影響で一日の間に水位の上下変動があります。水生植物の活着にとって安定的な水位は必須条件です。干上がったり水没 したりというストレスで、活着できなくては困ります。そこで最も生育しやすい設置高を確かめるために、高さを3種類に変えて植栽済みベストマンロール(ヨシ)を設置して様子を見ました。結果は、どの高さもヨシがちゃんと生育していました。しかし設置高が高いと侵入雑草が多く認められ、設置高が低いと雑草はほぼなくヨシのみが生育してたということが特徴的でした。
今現在(2011年4月8日)、施工しているさなかです。堀込みおよび干満の影響がある河川なので、作業員の方々は施工に苦労しておられるようです。写真のように特製吊り具で、上からおろしながら順次据えてもらっています。
今回は植栽済みベストマンロールの前面にロックロールを設置しています。ロックロールは植栽済みベストマンロールを固定する他、洗掘防止機能、土をトラップしてロールから伸びた植物が活着する事を期待しています。