1999/05/20(木)神奈川県 大根公園 ~調整池をビオトープに~

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↑1999年5月20日.水際に発達したフトイ群落.システム設置およそ1年後の状況.


ため池や調整池をビオトープにする場合,ビジョンを明確にして取り組む必要があります.

ビオトープとは一般的に生物の生息空間あるいはある特定の環境条件の生物群集の様な意味合いがありますが,言葉の意味からはどのようなものでもビオトープに なってしまいますね.そのため放っておいてアメリカセンダングサやオオブタクサなどの帰化植物が繁茂してしまってもビオトープといえばビオトープと言えま す.しかし,生態学的な反論だけではなく,やはり人間の心理とはちょっと違和感がありますね.せっかくお金を払ってつくっているのですから,何となくそれではいけないような気がします.
ビオトープとは何であるかと言うことは様々な見解があるので,この際,ビオトープという言葉に引っ張られないで,ため池や調整池を一体どのようにしたいのか 考えてみましょう.そのときのイメージが水辺の自然であるのであれば,ビオトープという難解な意味にとらわれずに,自然を復元すればよいでしょう.さて,その方法が大切です.
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大根公園の遊水池は昔ながらの池になりました.こういう場所でのんびり過ごすのも良いですね.


ため池や調整池に抽水植物を生育させたい場合,次の点に注意しなければなりません.

①目的とする植物が確実に且つ迅速に群落を形成すること.
②導入した植物が増えすぎず,ある一定のレベルにおさまること.

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ビオトープがこれでは何とも寂しいですね.
適切な植物を導入しなかったため,水際に帰化植物群落が成立した例.


①については,せっかく イメージした植物を植栽しても,成長が遅かったり,植栽した場所が悪く枯れてしまったりする事もあります.そのまま放置しておくとやはりアメリカセンダン グサやネズミムギなどの帰化植物が一大群落をつくってしまい.何か荒廃した風景になってしまいます(右写真参照).そのため,ため池や遊水池に抽水植物群 落を創出する際には,適切な導入植物の選定と確実な植栽が非常に重要です.ベストマンパレット(BP-800(植栽済み植生マット))を使用すれば面的に充実した植物を導入することができ,あらかじめ十分に育成されているため,種子の発芽により成長する帰化植物よりも早く大きくなります.そのため,帰化植物群落が形成される前に水辺本来の植物群落が成立します.

さて,②の課題について は少し難しいですね.ヨシやマコモなどは水深1m近くの水域にまで生育が可能であるとされているため,ちょっとした池ではすべてが植物に埋め尽くされてし まう可能性があります.それを除草するとなると,またとても大変な作業になります.植物の過剰繁茂を防ぐためには,あらかじめ何らかの仕掛けをしておく必 要があります.実際様々な方法が考えられますが,ため池や遊水池の諸条件に左右されるため,一概には言えません.詳しくは日本ベストマンシステム研究会に お問い合わせください.

上記2点について十分に検討すれば,何とものんびりとした自然をため池や調整池に復元することができるでしょう.そうしてできあがった自然をビオトープと呼ぶことについては誰も異論はないのではないでしょうか?

[木村保夫]

[1999年5月20日]
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