2011/04/08(金)愛知県 中井筋せせらぎ水路

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施工およそ3ヶ月後の状況

親水空間の創出のため,農業用水の水を使用してせせらぎ水路を創出しました.住宅地に近いこともあり,修景的要素を中心に設計されました.水際の植物は植裁済みベストマンロールが使用され,わずかな期間で良好な景観が形成されました.

短期間に良好な景観を形成させるためには,小さな苗を植裁するよりも植裁済み製品(植裁済みベストマンロール,ベストマンパレット等)の使用が効果的です.

ポット苗の植裁直後は苗と苗の間から様々な雑草が発生します.一般的に荒れ地の雑草は成長が早く,施工直後から短期間で植裁した植物を覆い隠してしまうこともあります.また,このような状態になった後の維持管理は多くの労力を必要とします.


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2003年5月7日
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2003年6月16日


写真から明らかなように,植裁済みのベストマンシステムの製品は雑草の種子が発芽成長する前に,導入した植物が群落を形成するため,雑草の発生を効果的に抑制することができます.

中井筋せせらぎ水路では,水路の 遮水にベントナイト系の遮水シート(パラシール)を使用ています.シートの上に土を入れ,植裁済みロール設置していまが,水域に植物が広がらないように水 底は薄くモルタルで固められています.植物の成長とその抑制のバランスを考えた設計といえるでしょう.

[2011年4月8日]

2011/03/25(金)兵庫県 加古川水系東条川親水公園 やすらぎの景観づくり事業 ~多自然川づくり 出水に耐えたツルヨシ群落~

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東条川は兵庫県篠山市の黒石ダム三田市の大川瀬ダムを経て加東市、小野市内を抜けて加古川に合流する一級河川で、地元の方々には「母なる川」として親しま れる川です。しかしながら台風や集中豪雨による氾濫で度々沿川の家屋が甚大な浸水被害を受けてきた歴史もある川で、「水に親しむと共に、地域の防災への意 識を高める公園づくり」を掲げて当親水公園整備事業は進められました。

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2011/03/18(金)兵庫県 猪名川北伊丹地区高水護岸工におけるチガヤマット緑化 ~堤防の在来種緑化と維持管理費の低減に向けて~

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兵庫県と大阪府の境界付近を流れる近畿を代表する一級河川の一つ、猪名川。この猪名川の北伊丹地区(大阪国際空港の北西部)にて2011年3月、高水護岸の改修工事が竣工しました。工事は軍行橋上流の右岸側約150m程の区間に渡って実施されましたが、この工事区域内においてチガヤマットの試験施工にのぞむ事になりました。
チガヤ群落成立を目指すにあたって弊社のチガヤマット工 法の効果は既に様々な現場で実証してきましたが、河川改修工事・築堤工事は盛土工や築堤工に用いる土壌の性質、その土地の気候、工事時期、冠水頻度、工事 区域周辺の植生環境など現場条件は様々です。そのため、必ずしも他現場と同じような経過・結果が待っているとは限らないのが現実です。それが植生工の難しいところでもあり、また竣工が完成でないという面白いところです。

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2010/09/15(水)大阪府 JAいずみの農産物直売所「愛彩ランド」調整池水辺緑化~在来の水生植物群落による水辺の修景~

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JAいずみの農産物直売所「愛彩ランド」(大阪府岸和田市)が平成23年4月5日にオープンし、連日賑わいをみせています。農家の方々が愛情をもって育て た安全・安心・新鮮な農産物が彩り豊かに並べられ、農を通して地域の人々がふれ合い、心の安らぎを感じられる施設として建設された当直売所施設の敷地内に は約1500㎡の水面積を誇る大型の調整池が併せて整備されました。そして、この調整池を修景池として、また水辺の生き物の生息場所として機能させるた め、池の全周囲に渡って水生植物群落を創出させる事になりました。

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2010/08/23(月)三重県 大堀川支川 ~水位の上下変動を克服せよ~

大堀川支川では多自然川づくりが実施されています。堀込み河道の直線的な河川に、植生帯を設けてエコトーンを創出することが計画されました。植栽済みベストマンロールやベストマンパレットの出番です。私たちは大堀川の本川にてヒメガマ、ツルヨシ、ヨシなどの種子および苗を採取し、これを持ち帰り、生産圃場にて大堀川産ベストマンロールとベストマンパレットを生産しました。
余談ですが、植物採取した大堀川本川では様々な植生が自由に生育し、その中にたくさんの魚や貝類が見られ、ここは多様で自然豊かな環境なんだなぁとすがすがしい気持ちで作業を行いました。

生産圃場での生産に先だって、試験施工が行われました。
というのも大堀川は河口に近く、干満の影響で一日の間に水位の上下変動があります。水生植物の活着にとって安定的な水位は必須条件です。干上がったり水没 したりというストレスで、活着できなくては困ります。そこで最も生育しやすい設置高を確かめるために、高さを3種類に変えて植栽済みベストマンロール(ヨシ)を設置して様子を見ました。結果は、どの高さもヨシがちゃんと生育していました。しかし設置高が高いと侵入雑草が多く認められ、設置高が低いと雑草はほぼなくヨシのみが生育してたということが特徴的でした。


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ヒメガマ苗の採取時の状況
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試験施工時の状況
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試験設置した植栽済ベストマンロール


今現在(2011年4月8日)、施工しているさなかです。堀込みおよび干満の影響がある河川なので、作業員の方々は施工に苦労しておられるようです。写真のように特製吊り具で、上からおろしながら順次据えてもらっています。
今回は植栽済みベストマンロールの前面にロックロールを設置しています。ロックロールは植栽済みベストマンロールを固定する他、洗掘防止機能、土をトラップしてロールから伸びた植物が活着する事を期待しています。

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