2011/04/21(木)兵庫県 猪名川高水敷におけるノシバ・チガヤ緑化 ~河川高水敷の在来種による緑化の取組み~
猪名川は兵庫県と大阪府の境界付近を流れる近畿を代表する一級河川の一つです。現在、猪名川の北伊丹地区(左岸)の高水敷ではノシバとチガヤによる緑地整備工事が進んでいます。
常に水が流れている低水路よりも一段高い「高水敷(高水域)」は古くは農耕地として利用される事が多かったようですが、今は沿川住民の憩いの広場として運動公園やゴルフ場として整備されている場所の方が多いのではないでしょうか?高水敷は今も昔も「川と人を結ぶ大切な空間」と言えると思います。
一方で「高水敷」というやや特殊な環境(普段は陸域であるが、洪水時には水に浸かり撹乱を受ける)は、河川生態系において重要な役割を担っているといえす。しかし、残念ながら昨今では高水敷の多くの緑地は外来植物で構成されている場所が多くあります。高水敷は外来植物にとって絶好の生育場所であるという現実が確かにあります。
2011/04/20(水)埼玉県 越戸川 ~川がつくる川の形~
しかし,地元の方やコンサルタントの方から話を伺うと,越戸川はそれほど土砂供給がある河川ではないとのことでした。ですから,施工後に川が従来の流路に戻るにはかなり時間がかかることが予想されます。そこで,流路の蛇行形状は施工前のそれに基づいたものにしてあります。一方,水際についてはそれなりに護岸が必要であるとのことでしたが,可能な範囲で川がつくった川となるように,強度を保ちつつ,柔軟に形状が変形するネット蛇篭(ベステック・ロックロール)が用いられています。そして,その上に,ヨシ,ヒメガマ,フトイなどの植生パレット(ベストマンパレット)が設置され。初期の表土の流出を防止するとともに,速やかな植物群落を創出することが出来るようにしました。ここで使用された植生の一部については,和光自然環境を守る会の方々と一緒に採集したものを,圃場に持ち帰って植生パレットに仕立てたものとなっています。採集は5月に行い,翌年の3月に無事出荷しました。施工はまだ続いていますが,浸食や堆積などの河川の動きと植物の成長によってどのような川が形成されるのか,興味深く観察していきたいと思います。
平成23年3月31日撮影.
平成23年3月31日撮影.
水際にネット蛇篭(ベステック・ロック
ロール)を設置し,植生パレット(ベス
トマンパレット)で抽水植物を導入して
います.
ロックロール)が使用されています.
鉄線蛇篭と異なり,地形に柔軟に対応し,
且つ,錆びることがないため,川遊びに
おいて危険が少ない構造となっています.
平成23年2月21日撮影.
ロール)の設置状況.
鉄線蛇篭と異なり,あらかじめ石が充填
されているため極めて短時間で設置する
事ができます.また,柔軟であるため,
微妙な水際の形状を形づくることが可能
で,且つ,設置後にも地形に合わせて形
状が変わります.
平成20年5月6日撮影.
植栽している状況.
平成20年5月7日撮影.
施肥を行っています.
平成20年6月3日撮影.
植生パレット(ベストマンパレット)
十分に根茎が発達した状況.
の設置状況.
専用のくさび型止杭で固定する.
[木村保夫(問合先)tel: 03-5643-0305,e-mail: y-kimura@especmic.co.jp]
[2011年4月20日]