2008/03/01(土)愛知県 岩ヶ池

岩ヶ池は『刈谷ハイウェイオアシス』に隣接する農業用のため池です。このため池は造成後裸地の状態が続いたため、写真のように雨水の表面流去と波浪による法面侵食がおこりました。ここでは植生工により法面侵食を抑え、緑化を図る事が提案されました。しかし現地の明らかに波浪のものと思われる侵食が強く、オーバーハングしている箇所も見られました。ここに単純に植物を植えただけでは、波の物理的影響で苗が衰退し活着しません。


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2008/02/01(金)兵庫県 たつの市原西池水辺整備事業 ~ため池の水生植物群落とチガヤ群落~

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近年、農地の宅地化が進み、埋め立てなどで多くのため池が姿を消している中で、この原西池ではかつて水草が生え、昆虫や水鳥のすみかとして豊かで多様な自然を持ち、人々の生活と密接にかかわってきた昔 ながらの「ため池」の再生と地域住民の憩いの場としての機能を持たせた公園整備(散策路やベンチや芝生広場)とが併せて実施されました。市が掲げた旗は 「自然環境、生態系の保全」「地域の憩い場づくり」です。


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2008/01/28(月)兵庫県 加古川護岸法面緑化事業 ~河川堤防法面におけるチガヤ群落整備に向けて~

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加古川の中流域にあたるここ兵庫県西脇地域は平成16年の台風23号により甚大な被害がもたらされた地域で、同年中に河川激甚災害対策特別緊急事業に指定され、平成17年から継続して河床掘削や堤防強化及び嵩上工事が進行中です。
堤防法面は図らずも工事後瞬く間に帰化植物やツル性植物に覆われてしまうといったケースが珍しくありませんが、ここ加古川の堤防法面でもそのような状況が至るところで見られます。
そんな中、堤体工事が竣工済みの一部区間においてチガヤを主体とした在来草本群落の整備への取組みが始まっています。そこで今回は2008年3月に施工したばかりのチガヤマットにスポットをあてて現場のご紹介させていただきます。

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2007/09/07(金)大阪府 松尾川上流ワンド整備事業 ~ワンドのビオトープ機能とその再生~

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大阪府和泉地方を流れる松尾川の上流域において 河川公園整備と併せて河川生態系保全・再生のためのワンド整備が実施されました。 「湾処」と書いてワンド・・・昨今ではこのワンドを備える河川というのはほとんど見られなくなってきましたが、ワンドは稚魚や鳥類の生活の場として、また 水辺の生き物にとっての出水時における避難場所として機能する河川生態系にとって非常に重要な舞台となります。ツ黴€ 人工的にワンドを新しく整備するというのは決して容易な事ではありません。せっかく整備しても生き物が集まってこない、出水によりワンドそのものが崩壊し てしまう、土砂堆積によりワンドが完全に埋まってしまう事も数多く報告されています。また植生という側面にも湿地状態がうまく保てなかった結果、ワンド周 囲が外来の陸生種(セイタカアワダチソウ・セイバンモロコシ等)に覆い尽くされてしまったり、逆に裸地(無植生)の状態が継続的に続いてしまったりという 問題が生じる事があります。ワンドでの豊かで安定した我が国本来の水辺生態系構築のためには、施工時段階における水辺の植生整備はやはり必要となるケース が多いのではないでしょうか。

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2007/07/21(土)大阪府 花博記念公園鶴見緑地 ~鉄線ジャカゴ(蛇籠)からネットジャカゴ改修~

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護岸の伝統的な工法の一つとして知られるジャカゴ(蛇籠)護岸は一般的なコンクリート護岸と違い陸地と水辺を遮断しない事で水辺生態系の保全や自然な水辺景 観維持には非常に有効な工法です。河川のみならずため池や公園内のせせらぎ・修景池等の護岸に用いられる事も珍しくありません。ここ花博記念公園鶴見緑地 内でも長期間数百mの延長に渡って修景池の護岸を担ってきましたが、老朽化が進み鉄線が破断・突出してしまっている部分も確認されたため、この度安全性を 考慮し鉄線(鋼製網)の撤去と併せてロックロール(繊維製ネットジャカゴ)の設置が実施されました。

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